長引く暑さで疲れやだるさが抜けない、肌の調子も下降気味……夏に受けたダメージのリカバリーに、ハーブの力を借りてみませんか。手軽に飲めるハーブティーなら、香りや味を楽しみながら、植物が持つ天然成分を取り入れられます。今回はハーブブレンドスタイルプランナーの飯田智子さんに、さまざまなハーブの特徴や、この時期おすすめのハーブティーについて伺いました!

- Profile
- 飯田 智子さん
- > (一社)ハーブブレンドスタイル協会
一般社団法人ハーブブレンドスタイル協会代表理事。ハーブブレンドスタイルプランナー。25年以上にわたりハーブを研究し、5,000種以上のブレンドを手がける。国産ハーブの魅力を生かした商品開発や人材育成、企業・自治体との連携を通じて、「365日のセルフケア」を提案している。
心と体を整える
ハーブの魅力
ハーブとは香草や薬草の総称で、西洋では古くから人々の不調をいやすために用いられてきました。心と体をおだやかに整えてくれるハーブは、忙しい現代を生きる私たちこそ上手に取り入れたいもの。まずは、ハーブが持つ代表的な働きについてご紹介します。

ホメオスタシス(恒常性)を支える
ハーブには単一の成分ではなく、微量ながら非常に多くの成分が含まれています。これらがゆっくりと働きかけることによって、健康をつかさどる自律神経、内分泌(ホルモン)、免疫のバランスが整いやすくなり、体の状態を正常に保とうとするホメオスタシスを支えます。
リラックス
ラベンダーなどに含まれる香気成分のリナロール・酢酸リナリルは、不安を抑え、緊張やストレスで固まった体をゆるめてくれます。ハーブティーでいただく場合は、ポットにお湯を注ぐとき、カップに口をつけるときに立ちのぼる香りが気分を落ち着かせ、心身のリラックスに役立ちます。
美肌
人間の体内には、老化の原因となる活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素が存在しますが、加齢とともに減少してしまいます。このSODと同じような働きをするのが、多くのハーブに含まれている抗酸化成分(ポリフェノールなど)です。とりわけ、クエン酸とビタミンCが豊富なハイビスカスや、「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれるローズヒップは抗酸化力が高いハーブとして知られており、美肌を目指す上で心強い味方になってくれます。
鉄分補給・めぐりケア
ハイビスカスやローズヒップに含まれるビタミンCは鉄分の吸収を助け、栄養補給に役立ちます。また、晩夏から国産種が出回るベニバナには、めぐりをサポートするリグナンが含まれており、エアコンで冷えた体のセルフケアとして取り入れるのもおすすめです。
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ハーブティーの楽しみ方
お湯を注ぐ音、茶葉が開いて現れる美しい色味、カップの手触り……ハーブティーは香りや味だけでなく、五感のすべてに働きかける力を持っています。ハーブティーを通じて自分と静かに向き合い、内なる声に耳を傾ける。そのひとときが、心と体の小さなゆらぎに気づく感性を高めてくれます。

【基本の淹れ方】
◎用意するもの:1杯分
- ・ハーブ(リーフ:大さじ1、ティーバッグ:1包)
- ・ティーポット、もしくはフタ付きのマグカップ
- ・お湯(180cc程度)
①ポットにハーブを入れる
ポットはハーブティーの色も楽しめるガラス製がおすすめですが、手軽さを重視するなら、茶こしと一体になったカップを利用したり、マグカップにティーバッグを入れて飲んでも◎。使いやすいものを選びましょう。
②お湯を注いで蒸らす
香気成分をしっかり抽出するために、沸騰からひと呼吸置いたお湯(95〜98℃)を注ぎ、フタをして3〜5分蒸らします。蒸らす時間が長いほど植物成分を濃く抽出できますが、渋みも出やすくなるため、苦手な方は少し早めに引き上げるとよいでしょう。
③完成
ハーブの香りを全身に取り入れるように、ゆっくり嗅ぎながら味わいましょう。また、鮮やかな赤色のハイビスカス、時間の経過とともに青から赤紫へ、夜明けの空のように変化するマロウブルーなど、さまざまな色が存在するのもハーブティーの大きな魅力。自然が生み出す美しい色も一緒に楽しんで。
こんな飲み方も!
アレンジハーブティー
ハーブティーを飲み慣れていなかったり、独特な香りがちょっと苦手、という方は、少しアレンジを加えるとグンと飲みやすくなります。もちろん、ハーブティー好きの方もぜひお試しを。
水出しにする
お湯よりも成分の抽出量は少なくなりますが、水出しにすると飲みやすくなり、柔らかい香りが楽しめます。専用の茶葉でなくてもOK。暑い日の水分補給にもおすすめです。
ジュースで割る
酸味が強いハーブティーが苦手なら、オレンジジュースで割ったり、ハチミツやアガベシロップを加えると酸っぱさがやわらぎ、デザート感覚で楽しめます。
おすすめの
ハーブティー
紫外線や高温多湿な気候、室内外の気温差など、過酷な夏の環境で疲れた体をいやすハーブティーを目的別にご紹介します。ハーブの力をチャージして、暑い季節をさわやかに乗り切りましょう!

体のだるさや疲れを取って
スッキリしたい
ハイビスカスやストロベリーリーフに豊富に含まれるクエン酸は、疲労回復をサポートする働きが期待できます。体力や活力を高めたいときには、朝鮮人参の一種であるシベリアンジンセンがおすすめ。また、ペパーミントの精油成分(I-メントール)は、体にスイッチを入れ、スッキリした気分に導いてくれます。
〈その他のおすすめ〉
- ・カルダモン
- ・ゴツゴラ(ツボクサ)
- ・レモングラス
暑さで弱った胃腸の働きを
整えたい
胃もたれや食欲不振などの消化器系の不調には、自律神経の乱れが関係しているといわれています。おすすめは、副交感神経へのスイッチを促すペパーミント。また、カモミールに含まれるカマズレンという成分が、胃の粘膜を守り食後の体を優しくいたわります。ドイツではカモミールティーを飲んだ後にゴロゴロと転がって胃全体に行き渡らせる民間療法が存在するほど、胃腸を整えるハーブとして知られています。
〈その他のおすすめ〉
- ・ダンデライオン
- ・クロモジ
夏枯れ肌から美肌を目指すには
ハイビスカス、ローズヒップが代表格ですが、酸っぱさが苦手なら、ストロベリーリーフがおすすめ。クエン酸やビタミンB・Cが豊富ながら味わいはまろやかで、初心者さんにも取り入れやすいハーブです。内側からの紫外線対策には、抗酸化力が高いルイボスやラズベリーリーフも◎。「浄血ハーブ」と呼ばれるネトルは、女性に不足しがちな鉄分や葉酸を多く含み、健康的な美しさをサポートしてくれます。
〈その他のおすすめ〉
- ・ヒース
冷えやむくみがつらい…
エアコン冷えやむくみが気になる方は、冷えすぎを防ぐ工夫を。めぐりをサポートするベニバナをはじめ、ジンジャーやシナモン、ローズマリーのハーブティーを味方に、体の内側からじんわりと温めてみてください。
◎ハーブティー選びのポイント
- できればテスターを置いていたり、試飲ができる店舗で購入するとよいでしょう。目当ての茶葉であっても、香りを嗅いで苦手だと感じたら、別のハーブを選んでみて。まろやかな味が好みなら大きめの茶葉、シャープな味が好みなら小さめの茶葉がおすすめです。
◎ハーブティーを飲む際の注意点
- ・ハーブティーは継続的な摂取を通してコンディションを整える手助けとなるものであり、それだけで不調を改善できるわけではありません。合わせて食事や生活習慣も見直しましょう。
- ・ハーブの中には薬との飲み合わせに注意が必要なものがあります(セントジョーンズワート、イチョウ、バレリアン、マテ茶など)。また妊娠中期は、一部のハーブが体調に影響(通経作用など)する可能性があるため、ハーブティー自体を控えたほうが無難です。持病があり服薬中の方、妊娠中の方は摂取前に医師にご相談ください。
飯田さんからのメッセージ
ハーブティーを成分で選ぶのもひとつの方法ですが、ぜひ自分の「感覚」を大切にしてみてください。五感を研ぎ澄まし、茶葉の色や香り、飲みやすさから心地よいと感じたハーブを選び、カラダのどの部分に響いたかを観察してみる。その後で成分や作用の答え合わせをすると、自分では気づかなかった不調のサインが見えてくることもあります。
皆さんの健やかな毎日のために、ハーブを活用していただけるとうれしいです。
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