食欲の秋こそ意識したい 美肌をつくる食生活

さまざまな旬の味覚が楽しめる季節、実りの秋がやってきました!せっかくなら、食材の栄養素も意識して、体の内側からキレイを目指しませんか?美肌の基本は食生活にあり!おいしく食べて、肌の調子もアップさせちゃいましょう。 今回は管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこさんに、美肌につながる栄養素や食生活についてうかがいました!

Profile
金子 あきこさん

Aricofood株式会社代表取締役。管理栄養士、給食コンサルタント、節約美容料理®研究家。管理栄養士としてこれまでのべ4万5,000食以上の献立作成に携わり、レシピ開発・コラム執筆・セミナー講師・メディア出演などの活動も精力的に務める。著書に『おなかぺったんこ腸筋レシピ』(リピックブック)など。

CHAPTER 1
意識して摂取を!

美肌の土台をつくる
栄養素

美肌にはバランスのよい食生活がマスト!と分かっていても、忙しい生活やダイエットの影響でどうしても栄養は偏りがち。ここでは女性に不足しやすい、美肌づくりに不可欠な栄養素についてご紹介します。

ビタミンA・C・E

ビタミンA・C・Eは「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、老化の原因となる活性酸素の働きを抑えます。それぞれの特性に加え、一緒に摂取することで抗酸化パワーもアップ!色のついた野菜を組み合わせて食べることが、バランスよく摂取するポイントです。

ビタミンA

ターンオーバーのサイクルを正常化し、皮膚や粘膜を健やかに保つ。

◎多く含まれる食材

ニンジン、ホウレンソウ、カボチャなどの緑黄色野菜など

ビタミンC

肌のハリや弾力の元になるコラーゲンの合成に不可欠。鉄の吸収も促進する。

◎多く含まれる食材

赤パプリカ、ブロッコリー、柑橘類など

ビタミンE

自律神経を整えて血行を促進し、皮膚の新陳代謝を促進する。

◎多く含まれる食材

カボチャ、アボカド、アーモンドなど

血液中に含まれるタンパク質「ヘモグロビン」の材料となり、体のすみずみにまで酸素を運んで、顔色を明るく健康的にする働きがあります。生理がある女性にとっては、とりわけ不足しがちなミネラルであり、活性酸素を除去する酵素・カタラーゼの生成にも必要となるので、ぜひ意識的に取り入れましょう。

◎多く含まれる食材

アサリの水煮缶、牛ヒレ肉、納豆、小松菜など

タンパク質

新しい細胞をつくり出すことができる唯一の栄養素です。ビタミン類やミネラルによる美肌効果が発揮されるのは、土台となるタンパク質があってこそ。主菜となる肉や魚はしっかり摂りましょう。おすすめの食材は牛ヒレ肉。タンパク質と鉄分が同時に摂取できます。

◎多く含まれる食材

肉、魚、大豆食品、乳製品、卵など

CHAPTER 2
まるごと摂取したい!

効率のよい
調理術とは?

素材の持つおいしさを最大限に引き出すには調理法が大切。さらに、含まれている栄養を無駄なく取り入れられるかどうかも、調理の仕方で変わってきます。食材や栄養素の特性をつかみ、美肌に必要な栄養をしっかりチャージして。

ビタミンCは
生食もしくは蒸し料理で

水に溶けやすく熱に弱いビタミンCは、長時間煮たり水にさらすのはNG。できるだけ生のまま摂り、加熱するなら損失が少ない蒸し料理がおすすめです。また、ビタミンCは体内に蓄積されず、摂りすぎた分は尿として排出されてしまうので、3度の食事のほか、レモン果汁などを加えた水をこまめに摂るとよいでしょう。

ビタミンA・Eは油脂類と好相性

脂溶性であるビタミンA・Eは、肉・魚の脂や、ドレッシングに含まれる油と一緒に摂ると吸収がよくなります。ビタミンA・C・Eをバランスよく摂るなら、パプリカやブロッコリーなど色のついた野菜のサラダに、柑橘果汁を加えたドレッシングを合わせて。

鉄は食材以外からも摂取可能

納豆や小松菜などの植物性食品に含まれている鉄は、ビタミンCと一緒に摂ると吸収を助けてくれます。また、鉄は食材のほか、鉄製の鍋やフライパンを使用したり、鉄玉(成形した鉄)を鍋に入れて調理することでも摂取できます。

美肌の足し算は
「タンパク質+ビタミンC+鉄」

タンパク質のひとつであるコラーゲンは体内で一度アミノ酸に分解されてから再合成します。この再合成の際に必要となるのがビタミンCと鉄。この3つの栄養素を合わせて摂ることで、美肌に欠かせないコラーゲンの生成が促進されます。

ポリフェノール豊富な
色つき野菜は皮ごと

野菜や果物の色素は、強い紫外線や虫害から自分の身を守るためにつくり出された抗酸化物質(ポリフェノール)です。つまりその鮮やかな色は抗酸化力の証。野菜や果物はできるだけ皮ごと食べると、栄養を余さず取り入れられます。

CHAPTER 3
教えて先生!

美肌食生活Q&A

普段から肌にいい食事を心がけているつもりでも、意外とまだ知らないことがたくさん。気になること、ぜんぶまとめてみました!

Q
肌によくない食材ってあるの?
A
脂質、加工品の摂りすぎは要注意
脂質の多い食べ物は体内の過酸化脂質(酸化した脂質)を増やし、肌トラブルにもつながるおそれがあります。使用している油の質が不明な外食時は、できるだけ揚げ物は避けて。自宅で調理するときは、オリーブオイルなどで揚げ焼きにするとよいでしょう。 また、ハムやウインナーなどの加工品やアルコールの摂りすぎは、腎臓、肝臓に負担をかけるため控えましょう。
Q
肌にいい飲み物ってあるの?
A
間食時にアーモンドミルク、
玄米コーヒーがおすすめ
朝食や間食時に飲むなら、ビタミンEが豊富なアーモンドミルクやイソフラボンが含まれている豆乳を。また、焙煎した玄米でつくられた玄米コーヒーもおすすめです。ビタミンやミネラルに加え食物繊維も摂れるうえ、ノンカフェインなのでお茶代わりに飲んでも◎。冷たい飲み物は胃腸を冷やすので、常温かホットで。
Q
ビタミン類は
摂りすぎても問題ない?
A
サプリの過剰摂取に注意が必要
食材から摂る分にはまず問題ありませんが、サプリメントを服用している場合は注意が必要。ビタミンA・Eや鉄は耐用上限量が定められており、その量を超えて摂取すると健康障害のリスクが高まるとされています。例えば、ビタミンAは摂りすぎると頭痛や腹痛などの過剰症を引き起こす可能性があるため、サプリメントの摂りすぎには気をつけましょう。
Q
さらに追加するなら
どんな栄養がいい?
A
腸内環境を整える食物繊維や
発酵食品はぜひ摂って
どれだけ栄養バランスに優れた食事をしていても、腸内環境が乱れているときちんと吸収されません。肌に十分な栄養を届けるためには、食物繊維(穀物、きのこ、海藻など)や発酵食品(納豆、味噌など)も積極的に摂りましょう。
Q
忙しくて朝食は抜きがち…
肌に悪い?
A
「欠食」と「偏食」は美肌を遠ざけます
朝ごはんを抜いたり、極端に食事量を減らすと、1日に必要な栄養素が摂れず、体調不良にもつながります。朝食べないという方は、スープやフルーツでもよいので、お腹にいれる習慣をつけましょう。
また、いくら栄養面で優れていても「これだけ食べていればOK」という食材はありません。定食のイメージで、1度の食事で3品以上、さまざまな食材をバランスよく取り入れることが美肌を育みます。

金子さんからのメッセージ

30代の方は40代に、40代の方なら50代になった時など、未来の自分がいかに美しく生きることができるか。今現在の食生活は、その土台づくりだと考えています。
私は雑穀ごはんと野菜たっぷりの味噌汁をベースにタンパク質を組み合わせています。意識しているのは抗酸化力の高い食べ物を選ぶこと。甘いお菓子もむやみに口にはしませんが、我慢のしすぎはストレスになり逆効果です。「おいしく幸せを感じて食べる」ことを大切に、時には上質なお菓子をちょっぴりつまんでみたり、心の栄養も養いながら、豊かな食生活を送ることが、美にもつながると思います。

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