体内リズムを整えて、キレイになるモーニングルーティン

起きるのがつらい、疲れが取れない…。新しい1年こそこんな小さな不調を解消して、充実した毎日を送りたいですよね。それならまず、朝の過ごし方を見直してみませんか。気持ちよく一日をスタートさせて体のリズムを整え、体の内も外もアップデートしていきましょう!今回は、医師の桐村里紗先生に、体内リズムを整える重要性と、おすすめのモーニングルーティンを教えていただきました。

Profile
桐村 里紗先生

内科医・産業認定医、tenrai代表取締役。最新の分子整合栄養医学や常在細菌学などをもとに、ヘルスケア情報を様々なメディアで発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など出演多数。著書に『美女のステージ』(光文社)、『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。

CHAPTER 1
体の中からイイコトを!

体内リズムを
整えるメリット

私たちの体のリズムを生み出しているのが体内時計です。体内時計は、脳の視床下部にある、およそ24時間周期のリズムを刻む中枢時計と、各臓器や細胞に存在する末梢時計からなり、神経やホルモンを介して連動しています。体内時計のズレをなくし、リズムを整えることは、心身共にすこやかな毎日を送る土台となります。

ホルモン分泌が安定し、
免疫力もアップ

ヒトには恒常性と呼ばれる、体の状態を一定に保つ働きが備わっていて、自律神経系・内分泌系(ホルモン)・免疫系の機能が相互に作用しながら健康を維持しています。体内時計が整うと各機能のリズムも保たれるため、ホルモンの分泌が安定し、自律神経のバランスが整うことで免疫力も高まります。

睡眠の質が高まる

睡眠を誘うホルモンであるメラトニンは、中枢時計のズレを修正し、体全体のリズムを整えます。決まった時間に寝るサイクルができると睡眠の質が高まり、疲労回復や細胞の修復に働く成長ホルモンが分泌されます。この2大睡眠ホルモンによって熟睡できた翌朝はすっきり目覚め、肌のツヤも良いはずです。

アンチエイジングにも!
メラトニンのスペシャルなパワー

メラトニンは、超悪玉の活性酸素を消去する、優秀な抗酸化作用を持っていることも分かっています。またインスリンの分泌を抑え、糖や脂質の代謝を促す働きがあり、ダイエット効果も期待できます。メラトニンのパワーを味方につけて、サビない体とスタイルを目指しましょう!

CHAPTER 2
リズムのズレをリセット!

キレイを上げる
モーニングルーティン

不規則な生活などで乱れてしまった体内リズムは、新しい朝の過ごし方でリセットしましょう。メラトニンが夜きちんと分泌されるよう、毎日同じ時間に起きて活動をスタートさせるのがポイントです。全体のリズムが整うには3週間ほどの期間が必要なので、根気よく続けてみましょう。

①朝日を浴びる

朝日を浴びて、体内時計をリセットしましょう。睡眠ホルモンのメラトニンは光を感知すると止まり、約15時間後に再び分泌が始まるようプログラムされます。直射日光に当たる必要はなく、カーテン越しに明るさを感じるだけでもOK。レースカーテンだけにしておけば、昇っていく太陽の光を徐々に取り込んで、自然な目覚めが迎えられますよ。夜勤などで昼夜逆転の生活を送っている人は、逆に遮光カーテンで朝の光をシャットアウトすれば、一定の生活リズムを維持できます。

②朝食は
体が目覚めるスイッチと考えて

内臓は、朝は排せつ、日中は消化、夜は代謝というサイクルで活動するため、朝からお腹いっぱい食べる必要はありません。体にスイッチを入れる意味で、ご飯と納豆、スムージーなど消化に良いものを軽く摂るといいでしょう。朝食で食物繊維を摂っておくと、昼食後の血糖値の上昇を抑えてくれるセカンドミール効果が期待できるので、野菜やきのこ、海藻、ナッツ類もおすすめです。

③エクササイズで覚醒モードに

交感神経が活発になり、活動にかかわる副腎ホルモンであるコルチゾールも増加する朝は、パワーヨガなど強めのエクササイズに挑戦してみても◎。体を動かし、熱いシャワーを浴びれば体が覚醒モードに切り替わり、気持ちよく1日をスタートできますよ。

④外の空気に触れる

室内にこもりっきりでいると、体の機能が低下しやすくなります。免疫力を上げるためにも、外に出て気温の変化を肌で感じることはとても大切。空気が澄んで清々しい朝のひと時に、丁寧なケアで乾燥と紫外線から肌を守ったあとは、散歩に出かけてみませんか。

CHAPTER 3
リズムが乱れる原因に!

やめておくべき
NG習慣

朝だけではなく夜の過ごし方も体内リズムを整えるのには、とても重要です。忙しい日々の中でついやりがちな習慣に、リズムを乱す原因があるかもしれません。

夜に強い光を浴びる

明るすぎる照明のもとで夜遅くまでパソコンやスマホを使っていると、日中の状態が続いていると脳が認識して、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制されます。夜は調光機能付きのダウンライトや間接照明にして、150ルクス(事務オフィス程度の明るさ)以下を目安に照度を抑えましょう。パソコンやスマホはナイトモードにするなどの工夫もできますよ。

日中ダラダラ過ごす

朝起きてからいつまでもルームウエアのままでいたり、何時間も昼寝したりと、ダラダラした過ごし方は就寝時間を遅らせ、睡眠の質も低下させます。朝は決まった時間に起きて、メリハリのある生活を!日中のアクティブな活動が、夜の快眠を導きます。

遅い時間にお腹いっぱい食べる

夜遅く摂る食事は内臓のリズムを乱し、熟睡も妨げます。朝は消化の良いものを、昼はしっかり、夜は寝る4時間前までに軽く(20時までに済ませるのが理想的)と心がけてみてください。血糖値が上がると睡眠中の成長ホルモンの分泌を妨げるため、糖質は少なめがベター。食事時間を一定にすると、体内リズムが整いやすくなります。

寝る前にハードな筋トレをする

気持ちよく眠ろうと、寝る前に激しい運動をする方もいるかもしれませんが、交感神経が優位になってしまい逆効果に。夜はストレッチで疲れをほぐしたり、ぬるめのお風呂にゆっくりつかってリラックスするのがおすすめです。

桐村先生からの
メッセージ

おうち時間が増えた今は、これまで忘れがちになっていた、自分自身の軸を取り戻すチャンスです。しっかりと自分に向き合い、周りの人や環境の影響を受けて乱れてしまった自分のリズムやバランスをきちんと整えることが、自分を大切にし、生涯健康な心身を維持するための大切なプロセスです。ヘルスケアは、まず自分を愛することから始まります。

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