ぽっこりしていませんか?冬便秘を“腸もみ”で解消しよう

最近、お腹はスッキリしていますか?寒さで体が冷えやすく、腸の動きも鈍りがちなこの季節は、1年のうちでも特に便秘になりやすいんです。お腹の張りや肌荒れを引き起こすやっかいな便秘とは、1日も早くサヨナラしたいもの。今回は、養腸家の真野わかさんに、「腸もみ」をはじめ便秘解消に効果的なメソッドを教えていただきました!

Profile
真野 わかさん

養腸家・セラピスト・日本養腸セラピー協会会長。乳児の頃からの便秘や虚弱体質を自ら克服した経験と、カラダの声を聴くセラピスト・腸もみのスペシャリストとして、溜めないカラダ・ココロ・内側(腸)から健やかに美しくする施術を提供。また、スクール講師・セルフ腸もみや腸の健康を保つ講演など、養腸の普及に努める。

CHAPTER 1
寒さで悪化しがち!

冬便秘を
引き起こす要因

便秘というと「食物繊維が足りないのかな」と考えがちですが、冬の便秘はこの時季特有の要因によるものが少なくありません。生活リズムや食事内容が特に変わったわけでもないのにスッキリしない…と感じる方は、ぜひチェックしてみてください。

冷え

体が冷えると、血管が収縮して全身を巡る血液の循環が悪くなり、腸も冷えて硬くなります。その結果、腸の動きが鈍って便を送り出す力が弱まり、体内に老廃物をためこんでしまうことに。

運動不足

腸は体を動かすことでより活発に働きます。寒いからといって家の中にこもり、ほとんど動かない生活を続けていると、活動代謝が下がり、腸の動きも停滞します。自宅で過ごす時間が長くなったここ1年ほどは、運動不足が原因で便秘になる方が増えているようです。

水分不足

夏とは違い、さほど汗をかかない寒い時季は水分補給の意識が薄れがちですが、水分はスムーズなお通じに欠かせません。摂取する水分量が、呼気や尿など体から出ていく水分よりも少ないと、便が硬くなり、便秘悪化を招くもとになります。

時間に追われる生活

胃や腸は、リラックス時に働く副交感神経が優位になると活発に動きます。朝、寒さでなかなか布団から出られず、その後あわただしく準備をするような生活は、緊張や興奮をうながす交感神経にスイッチが入ってしまい、腸の動きを停滞させます。また、忙しいと十分なトイレタイムが取れず、便意を逃してしまうことも。

CHAPTER 2
こんなトコまで!

便秘からくる
美容トラブル

体内の老廃物である便は、いわゆる体の「生ごみ」。便秘は、この生ごみを温度37~38℃、湿度100%の腸内に何日も置きっぱなしにしている状態です。放置された生ごみ(=便)の悪臭成分や有害物質は腸壁から体内に吸収されて全身をめぐり、健康面だけでなく、美容面でもさまざまな悪影響をおよぼすおそれがあります。

肌荒れ・くすみ

本来、便として排出されるはずの老廃物が出口を失うと、血液に乗って全身をめぐり、肌にも到達します。その結果、かさつきやニキビなどの肌荒れやくすみが生じます。肌は腸の状態を映す鏡であり、すこやかな肌を保つには腸内環境を整えることが重要です。

痩せづらい

ダイエットをがんばっていても成果がなかなか出ないなら、便秘が原因かもしれません。腸内に老廃物がたまった状態が続くと体が冷えて基礎代謝が低下し「痩せづらく、太りやすい」体質になってしまいます。

スタイル悪化

腸に便がたまっていると、下腹がポッコリ出てしまいスタイルにも影響します。また、お腹周りにはリンパ組織が集まっているため、腸の動きが鈍るとリンパの流れが滞って水分代謝が悪くなり、フェイスラインのもたつきや全身のむくみにつながることも。

もともとの不調がさらに悪化

有害物質が体内に蓄積することで血行が悪くなり、月経痛や肩こりなど、もともと抱えていた不調がさらに悪化してしまうことがあります。見た目も元気のない、どんよりとした印象を与えてしまうことに。

CHAPTER 3
お腹スッキリ!

便秘は
腸もみで解消

腸は唯一、自分でもむことのできる臓器です。リラックスしながら、心地よい刺激を与えることで、冷えや便秘の解消はもちろん、自律神経のバランスも整います。まずは<小腸もみ>で冷えた腸全体を温め、腸の動きを促してから、便の詰まりを解消する<大腸もみ>を行うのがオススメです。

腸もみの前に

  • ・大切なのは、リラックスした状態で心地よさを感じながら行うこと。がんばりすぎや力みすぎは交感神経にスイッチが入ってしまい、十分な効果が得られません。
  • ・起床時&就寝時のお布団の中、入浴中の湯船の中、入浴後などがオススメのタイミング。食後1時間以内は避けましょう。
  • ・イスに座った状態か、仰向けに寝た状態で行います。イスの場合は腹筋を使わないよう、背もたれに体を預けるか、少し前かがみの姿勢で。仰向けの場合は膝を立てて行うと、無駄な力が入りません。
  • ・服の上からでも、直接お腹に触れるやり方でもOKです。

冷えの解消
小腸もみ

  1. ① 両手を重ね合わせ、おへそを覆い隠すように置きます。
  2. ② そのまま手の位置を変えずに、手首を使って大きな円を描くように、時計回りにぐるりと圧を加えます。自然な呼吸のまま、6秒かけて1周します。
  3. ③ 1セット2~3分(20~30周)程度を目安に。お腹の中心がポカポカしてくる感覚が味わえるはずです。

便の詰まりを解消
大腸もみ

  1. ① 利き手を下にして、両手の人差し指・中指・薬指の第一関節を重ね合わせます。
  2. ② 重ねた指の腹で、①右の骨盤の内側→②右の肋骨下→③みぞおちとおへその間→④左の肋骨下→⑤左の骨盤の内側の順に押していきます。呼吸を止めずに、息を吐くタイミングで押すとよいでしょう。
  3. ③ 一時的に便をためておく場所である⑤は、時計回りに小さくくるくると円を描くように押しもみすると効果的です。

①~⑤の1周を1セットとして、1回最低1セット、余裕があれば3セットほどやってみましょう。

ワンポイントチェック

腸本来の働きを引き出し、腸もみの効果をさらにアップさせるために、次のポイントも押さえておきましょう。

  • 1日に何回やってもOK!
  • 力を入れすぎない
    (強くても「痛気持ちいい」程度まで)
  • 口呼吸をやめ、
    普段から深い呼吸を心がける
  • お腹を冷やさないようにする

真野さんからの
メッセージ

がんばりすぎるまじめな方ほど、腸の不調を抱えがちです。腸もみは「やらなきゃいけない」ではなく「心地いいからやる」というように、結果を追うより、経過を楽しみながら続けていただけたらと思います。
腸を制する者は美と健康、そして輝かしい未来も手に入れることができます。腸もみは特別な道具も要らず、座ってでも寝ながらでもできますので、日常の合い間に取り入れてみてください。きっと「いつの間にか便秘が解消されて、お肌もピカピカになった!」と感じられる日が来るはずです。

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