実は気が付いていないだけ!?“オンナの加齢臭”に要注意

夏も終わり、ニオイ対策に油断しがちな時期。加齢臭は男性特有だと思われがちですが、皮脂分泌量がピークを迎える30代以上からは、女性も季節を問わず気を付けたいもの。今回は、医師の桐村里紗先生に、ニオイのセルフチェック方法や、加齢臭のケア方法などを教えていただきました。

Profile
桐村里紗先生

内科医・認定産業医。予防医療をファッションと再定義し、ライフスタイルデザインをベースに、最新の分子整合栄養医学や、生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、書籍・WEB・講演活動などにて情報発信を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか〜口臭と体臭の化学』(光文社新書)他。

CHAPTER 1
女性も臭うの!?

オンナの加齢臭とは?

加齢臭は男性だけのものではありません。女性にも発生する加齢臭やニオイとは、どのようなものなのでしょうか?

女性ホルモンの低下による「皮脂臭」

加齢臭の原因となっているのは皮脂。男性ホルモンが皮脂の分泌を刺激するため、男性のほうが臭いやすいのですが、女性でも、年齢とともに女性ホルモンが減り、男性ホルモンが優位になると、皮脂臭が発生しやすくなります。

弱った汗腺による「ベタベタ汗臭」

普段から汗をかく習慣がなく汗腺が弱っている人の汗は、ミネラルを多く含み、常在菌が増えることでニオイを発生させやすくなります。また、汗腺に溜まった老廃物や垢が、汗と一緒に排出されて、より臭いやすくなります。

疲れやストレスによる「疲労臭」

ストレスがかかると、体のサビの原因となる活性酸素が発生し、皮脂の酸化によるニオイの原因に。また、慢性的な疲労は代謝を低下させ、疲労によって蓄積された乳酸やアンモニアが肝臓で処理できず、汗のニオイの元になります。足の裏からの発汗も増えるので足臭の原因にも!

まだまだある!ニオイの元

糖質の摂り過ぎで臭う!?

皮脂の原料となる中性脂肪が高いと、皮脂分泌量が多くなります。過剰な皮脂はニオイの元。糖質の摂り過ぎでも中性脂肪が増え、脂臭さの原因になります。

お酒の飲み過ぎはNG !?

アルコールは肝臓で最優先で処理されるので、本来行われるニオイ物質の分解や脂肪の代謝などを妨げます。その結果、血液中にあふれたニオイ物質や中性脂肪が、汗臭や加齢臭の原因に。

シャンプーのしすぎは逆効果?

頭を洗いすぎて皮脂を取りすぎると、皮膚を守るためにニオイの元となる皮脂分泌が増え悪循環に。皮脂の酸化や、皮脂をエサに繁殖した常在菌の代謝物が頭臭の原因になります。

CHAPTER 2
あなたは大丈夫!?

加齢臭・体臭
セルフチェック法

加齢臭や体臭は、生活習慣の乱れや生活習慣病による加齢現象の結果です。自分のライフスタイルを見直すためにも、加齢臭のセルフチェックを行って原因を探ってみましょう。

加齢臭・体臭
セルフチェック表

  1. ① 早食いをする、胃が悪い
  2. ② 野菜や海藻、果物などの
    食物繊維が不足しがち
  3. ③ 便秘になりやすい
  4. ④ 肉食が多い
  5. ⑤ アルコールをよく飲む、肝機能が悪い
  6. ⑥ 糖尿病や
    メタボリックシンドロームがある
  7. ⑦ 中性脂肪が多い
  8. ⑧ 汗をかく習慣がない
  9. ⑨ ストレスが多い、生活時間が乱れている
  10. ⑩ 慢性的に疲れている

①~④にあてはまる方
腸内環境の悪化がニオイの元に

消化不良から腸内環境の悪化を引き起こし、腸の中で、食べ物(主にタンパク質)の腐敗に伴う「代謝物=ニオイ物質」が生成されています。

⑤~⑥にあてはまる方
肝機能の低下がニオイの元に

アルコール摂取や生活習慣病など、肝機能を低下させる要素があると、ニオイ物質を肝臓で解毒できなくなります。ニオイ物質は血液中にあふれ、汗や呼気(口)が臭くなります。

⑦~⑧にあてはまる方
不規則な生活習慣がニオイの元に

中性脂肪の増加や生活習慣の乱れは、皮脂を増やし、酸化させ、汗腺や皮脂腺からのニオイが悪化します。ストレスは、疲労臭の原因にも。

⑨~⑩にあてはまる方
自律神経の乱れがニオイの元に

ストレスや不規則な生活によって、体のバランスをとる自律神経の乱れが起こると、脇や足の裏から発汗して臭いやすくなったり、汗が脂臭くなったりします。

CHAPTER 3
これで安心♪

臭わせない
毎日のケア・対策

ニオイの原因が分かったら、さっそく対策を行いましょう。年齢を感じさせないためには、ライフスタイルから体臭をマネジメントすることが大切です。

能動汗腺を鍛えよう!

汗をかく汗腺(能動汗腺)を鍛えると、ニオイの原因が少ないサラサラ汗をかきやすくなります。能動汗腺を鍛えるには、ゆっくりと体温を上げる有酸素運動がおすすめ。汗をかいた後は、水分補給をしながら入浴して、さらに汗をかきましょう。汗腺に溜まったゴミや垢、老廃物も排出することができます。

毎日、抗酸化物質を摂り入れよう!

加齢臭の原因となる皮脂分泌量を適正にし、皮脂の酸化を抑制する抗酸化物質や栄養素を毎日摂り入れましょう。皮脂の酸化を抑制する抗酸化ビタミンは、アボカドやナッツ、ゴマに含まれるビタミンE。柑橘類やアセロラに含まれるビタミンC と併せて摂取することで抗酸化力が持続します。

リラックスして
サビないライフスタイルを!

ストレスを感じると交感神経が緊張し、体がサビついてしまいます。ストレスは蓄積せず、なるべくその日のうちに解消するようにしましょう。最高のケアは、ゆったりと入浴し、睡眠を取ること。睡眠ホルモンであるメラトニンは、悪玉の活性酸素を寝ているうちに軽減してくれます。

デオドラント対策を
上手く活用しましょう!

制汗剤はポイント使用を

制汗剤には、毛穴をふさいで汗の量を減らすしゅうれん剤が含まれています。汗は体温調整のために必要があって出ているので、制汗剤は汗をかきやすく、ニオイが強くなりやすい部分にのみ使いましょう。

イオン分解する消臭スプレーや肌着を活用

ニオイ成分をイオン分解して消臭するタイプの消臭スプレーや肌着は、効果的であるうえ、 安全性も高いです。スプレータイプは、ニオイの気になる肌着や靴下などに使用することで、ニオイ成分のみを即座に分解し、消臭してくれます。

悪臭を隠す芳香剤は相性が大切

フレグランス成分で悪臭を隠す芳香剤には、香水やアロマスプレーなどがあります。強い体臭などは逆に不快なニオイになる可能性があるので、相性が大切。強すぎる香料は周囲の迷惑になることも。配慮を心がけて。

桐村先生からのメッセージ

パートナーの枕のニオイや加齢臭などが気になる女性は多いと思います。しかし、自分はどうでしょう?嗅覚は慣れてしまうので、自分のニオイには、なかなか気づくことができません。何も気にせずに年齢を重ねると、現代的な生活習慣によって、体内環境は乱れ、不健康になっていきます。それが表面に現れたものが、加齢臭を含む体臭の悪化です。「年齢のせい」と諦めず、自身のライフスタイルを見直してみましょう。匂うような美しさは、内側のキレイから醸し出されるのです。

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