いつものお風呂を美活に変える!“正しい入浴法”でもっときれいに

肌寒さが増し、なみなみとお湯をたたえた湯船が恋しい季節になりました。お風呂は体を温めるだけでなく、美肌をはぐくむ最高のビューティースポット。せっかく入るなら正しい入浴法をマスターして、健康もキレイも手に入れちゃいましょう。今回は、入浴に関する医学的研究の第一人者である早坂信哉先生に、お風呂で得られる嬉しい効果や入り方のコツをうかがいました!

早坂 信哉先生
Profile
早坂 信哉先生

東京都市大学人間科学部教授・博士(医学)、温泉療法専門医。高齢者医療の経験から入浴の重要性に気づき、25年以上にわたり7万人の入浴を調査。日本健康開発財団温泉医科科学研究所長も務める。「世界一受けたい授業」「あさイチ」など、テレビやラジオ、新聞や講演など多方面で活躍中。『最高の入浴法』(大和書房)など著書も多数。

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CHAPTER 1
シャワーのみでは得られない

入浴の健康&美容効果

忙しかったり疲れていたりで「シャワーでいいか」と思う日もありますよね。ただ、お湯が当たる面積や時間が限定的なシャワー浴では、入浴がもつ健康・美容効果を十分に得ることができません。それはちょっともったいない!週に数回はお湯に浸かる習慣をつけましょう。

血の巡りがよくなる

体が温まって血管が広がり、血流がよくなる「温熱作用」によって全身に栄養分が運ばれ、老廃物や疲労物質が排出されやすくなります。疲れが取れるだけでなく、新陳代謝が活性化して肌のターンオーバーが促され、美肌にも近づきます。

むくみ解消

水圧で下半身にたまった血液やリンパ液が心臓に押し戻される「静水圧作用」により、むくみの解消が期待できます。全身を穏やかに締め付ける水圧のマッサージ効果で、入浴後には重だるい脚がスッキリするのを実感できるはず。

筋肉痛の改善

肩までお湯に浸かると、浮力によって体重が約10分の1になり、重力から解放されます。全身をリラックスさせるこの「浮力作用」で筋肉の緊張がゆるみ、体が温まると過敏になった神経の働きが抑制され、肩や腰の痛みが和らぎます。また靭帯・関節の柔軟性が高まるため、体がほぐれやすくなります。

毛穴に詰まった皮脂や汚れが落ちる

シャワーでも汗や汚れを洗い流すことはできますが、毛穴の奥に詰まった皮脂汚れを落とすには、お湯に浸かってしっかり毛穴を開かせるプロセスが不可欠。古くなった角質も柔らかくなってはがれやすい状態になり、肌に負担をかけずにオフできます。

自律神経が整う

40℃程度のお湯に浸かると副交感神経が優位になり、リラックスモードに切り替わります。入浴習慣は、ストレスや不規則な生活で高ぶりがちな交感神経を鎮めるのにとても効果的。自律神経が整い、不眠や冷えなどの不調改善も期待できます。

質のよい睡眠がとれる

肌の修復・再生を促す意味でも、質のよい睡眠はマスト。40℃程度のお湯に10分ほど浸かると、深部体温(体の内部の温度)が約0.5℃上昇し、そこから徐々に下がっていきます。就寝のベストタイミングは、元の深部体温に戻る90分後。入眠に必要な体の準備が整い、熟睡しやすくなります。

心の健康が保たれる

入浴習慣は、精神面にもよい影響を及ぼすことが近年の研究で解明されています。3200人を対象にした6年間の追跡調査によると、毎日湯船に浸かる人は、そうでない人と比べてうつ病になるリスクが24%低いことがわかっています。また、入浴頻度が高い人ほど幸福度が高く、将来的に介護状態におちいるリスクが低減することも明らかになっています。

CHAPTER 2
すぐ見直そう!

意外と知らない
NG入浴法

健やかな美しさを目指すなら、入浴のメリットを活用しない手はありません。ですが、入り方によっては体に負担をかけてしまうことも。よかれと思ってやっていたことが逆効果だった…なんてことのないように、ルーティーンを見直してみましょう。

長風呂をする

お湯に浸かる時間が長すぎるとかえって疲れが増し、熱中症になるおそれもあります。また、肌の水分を守るセラミドがお湯に流れ出し、乾燥肌を招く一因に。のぼせるほどお湯に浸かるのは避けましょう。

熱いお湯に浸かる

42℃以上のお湯は交感神経を刺激し、体にストレスがかかってリラックスできません。さらに気温の低い時期は、急激な温度変化によるヒートショック(血圧変動に伴う健康被害)のリスクも高くなるため、湯温設定は40℃以下がベター。

水分補給せずに入浴する

1回の入浴で汗として失われる水分量は約800mlといわれています。水分補給せずに入浴すると脱水を引き起こし、だるさやめまい、立ちくらみなどの症状が現れることも。のどが乾いていなくても、入浴前後の水分補給を習慣づけましょう。

肌をこすり洗いする

清潔でいたいからと、洗浄料とボディータオルでゴシゴシ体を洗っていたりしませんか?顔と同様、体の皮膚も摩擦は大敵。角質が無理にはがされて乾燥が進むだけでなく、強くこすりすぎると色素沈着を引き起こすこともあります。湯船にしっかり浸かっていればおおよその体の汚れは落ちるため、こすり洗いをしたり、洗浄力の高い石けんやボディーソープを毎日使う必要はありません。

CHAPTER 3
美肌も健康も…いいことづくめ

正しい入浴法

ほどよい温熱作用を得るには「40℃のお湯に10分浸かる」のが基本。ここでは5分+5分に分けていますが、もちろん続けて10分でもOKです。額にじんわり汗をかいたら十分に体が温まったサイン。入浴後はスマホやパソコンから離れ、ゆったりとくつろいで。

入浴準備

脱衣所・浴室を暖める

秋冬の入浴はヒートショックを起こさぬよう、脱衣所・浴室とリビングの温度差を5℃以内にしておくことが大切。脱衣所は暖房を入れておき、浴室は湯船のふたを開けておくか、シャワーを1〜2分かけ流しにして暖めておきます。

コップ1杯の水を飲む

脱水予防のために、入浴前にコップ1杯ほどの水を補給しておきましょう。

入浴

かけ湯をする

手おけで10杯ほどを目安に、手足の先から少しずつかけ湯をして体をお湯に慣らします。シャワーでもOK。

湯船に浸かる(5分)

40℃程度のお湯に5分浸かって体を温めます。毛穴が開き、髪や体の汚れが落ちやすい状態に。

髪や体を洗う

体は石けんやボディーソープをよく泡立て、手で泡を押し広げるようにして優しく洗います。お湯で柔らかくなった角質や皮脂を、泡で吸着させるイメージで。こすらずとも汚れは落とせます。

湯船に浸かる(5分)

再度湯船に浸かり、洗っている間に冷えた体を温めます。肩までお湯に沈め、深い呼吸でリラックス。

アフターバス

保湿ケアは10分以内に

お風呂から上がったら素早く体を拭いて保湿ケアを。入浴後は肌の水分量が急速に低下していくので、顔と体の保湿は10分以内に済ませるのが鉄則です。湿度が高い浴室内で最低限の保湿をしておけば、肌の乾燥が進むのを防げます。

入浴後も水分補給を

季節を問わず、入浴の前後は十分な水分補給を。コップ1杯の水を忘れずに。

これもおすすめ!
お風呂ビューティーTips

  1. ・お湯を溜めて浸かる余裕がないときは、浴用のイスに座り、やや熱め(42℃程度)のお湯を張った足湯用のバケツに足を入れたままシャワーを浴びるとよいでしょう。もしくは、くるぶしが隠れる程度の熱めのお湯を張った浴槽内で髪や体を洗い、最後にシャワーで流すのも◎。シャワーだけよりも体が温まり、血流もよくなります。
  2. ・バスタイムをもっと快適にするには、五感に働きかける工夫を。照明を落ち着いた温白色の電球に替える、お湯を張った洗面器にアロマオイルを数滴垂らして香りを楽しむ、防水スピーカーで好きな音楽を聞く、呼吸に集中し、瞑想してみる……などなど、自分が一番リラックスできる方法を探してみて。

早坂先生からのメッセージ

望月さんお風呂は単に体の汚れを落とす場所ではなく、睡眠と深く関わっていたり、心身の健康を保つのに大きな役割を果たしていたりと、シャワーにはないプラスの効果がたくさんあります。血流がよくなるので、当然美容面でも嬉しい変化があるでしょう。
できれば毎日、難しければ週末だけでも、お湯に浸かる習慣を持ってみてください。お風呂の素晴らしい効果を、一人でも多くの方に実感していただけることを願っています。

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