引き締まった体になりたい!けれど、運動は続かないし時間もない…。それなら、歩き方を見直してみませんか?正しいフォームを身につければ体幹が強化され、普段の移動がトレーニングに変わります。今回は、スタイルアップにつながり、なおかつ疲れにくい歩き方について、プロウォーキング講師の今村大祐さんにうかがいました!

- Profile
- 今村大祐さん
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(一社)プロフェッショナルウォーキング協会代表理事。歩き方と考え方で人生を変える育成の専門家。レッスンの受講生は5カ国で15万人以上。コンテストの日本代表30人以上に加え、400人以上の講師を輩出している。講演、企業研修、美容健康商品のプロデュースなど活動は多岐にわたり、『美人マインド きれいになる人の40の考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか、著書は累計10万部を突破。
自分の歩き方をチェック
少し歩いただけで疲れてしまう、よく歩いているのにやせないという人は、姿勢や体の使い方に問題があるのかも。間違った歩き方は体に負担をかけ、正しく筋肉を使うことができません。一度自分の歩き方をチェックしてみましょう。

アライメントが崩れている
基本となるのがアライメント(骨や関節の配列)。横向きの状態で、耳、肩先、骨盤の外側、大転子(太ももの骨の上外側の突起)、外くるぶしが一直線上にあるのが理想です。このアライメントが崩れていると、正しい歩き方にはなりません。
姿勢が悪い
猫背をはじめ、重心の位置が偏る反り腰、スウェイバック(背中が丸まり腰が前に突き出している)はアライメントが崩れる原因に。背中が丸まっていると腕を振るときに後ろに深く引くことができず、「ダイエット細胞」といわれる肩甲骨付近の褐色脂肪細胞を活性化できないデメリットも。
すり足で歩く
体の重心の位置がずれていると歩行が安定せず、常に地面に両足がついているすり足になりやすくなります。だらしなく見えるだけでなく、ふくらはぎを使っていないので、脚の筋力低下などを引き起こすことも。歩幅が狭い人、片足で立てない人は要注意です。
扁平足
土踏まずの縦アーチがつぶれて足の裏が平らになっている(扁平足)と、体の重心が内側、または外側に逃げやすくなり、重心が安定せず、歩くときに体が左右に揺れます。そのぶん無駄に体を使うことになり、疲れやすさの原因に。
体の前面が疲れる
歩いたあとに、太ももの前側など体の前面が疲れるのは、姿勢や歩き方が悪いせいかもしれません。正しく歩くとふくらはぎやお尻、肩甲骨周りを使うため、体の背面が疲れる場合は質のよい歩き方をしているといえます。
歩き方で
体はどう変わる?
いつもは無意識に行っている「歩く」動作も、姿勢や歩き方を意識するだけで、驚くほど体は変わります。紹介したもの以外でも、血流が良くなってむくみが解消、集中力が増す、自律神経が整う…といいことづくめ。もう、普通に歩くだけではもったいない!

基礎代謝が上がりやせやすい体に
正しい歩き方は全身の筋肉を使うため、基礎代謝が上がりやせやすくなります。さらに、腕を前後に振ることで肩甲骨周辺が動き、褐色脂肪細胞にスイッチが入るため、脂肪燃焼効果がさらにアップ!
“幸せホルモン”の分泌をうながす
姿勢を正して歩くと、精神の安定に深く関わる“幸せホルモン”セロトニンの分泌が促されます。自律神経が整い、ストレスによる暴飲暴食も抑えられるため、ダイエットにも効果的です。
気になるパーツのボディメイクも可能
1日の平均歩数は4000〜6000歩と言われています。例えば、お尻を引き上げるトレーニングを1日4000回行う…というのはちょっとムリな話ですが、お尻を意識しながら足を蹴り出し、歩幅を広げて歩くことで、歩数分のトレーニングに!気になるパーツを意識すると運動効果も上がり、効率的に引き締めることができます。
疲れにくい体になる
体の軸を保ちながら歩くには、骨格を支える深層筋(インナーマッスル)を使い、大胸筋や大腿四頭筋などの表層筋(アウターマッスル)はリラックスさせるのがポイント。無意識で歩いている状態よりも使う筋肉は増えますが、大きな筋肉を使う必要がないため、疲れにくい体になります。
間違った歩き方を続けていると…
脚が太くなる、お尻が垂れる、下腹ぽっこり、O脚やX脚…といったスタイルの問題に加え、外反母趾・内反小趾などの足のトラブルを引き起こすおそれがあります。また内転筋や骨盤底筋が使われないために、女性は子宮周りが冷えやすくなり、女性特有の疾患の原因にもなります。
つまり正しい歩き方は、こうした悩みの改善が期待できるということ。やらない手はありません!
「正しい歩き方」のコツ
正しく歩くために重要な柱は3つ。そして、この3つを実践するための7つの動きを取り入れることによって、無駄な負担をかけず、使うべき筋肉を使う歩き方ができるようになります。風が気持ちいいこの季節から、さっそくチャレンジ!

「正しい歩き方」3つの柱
①1本の線上をまっすぐ歩く意識を持つ
体の中心から1本の線が伸びているイメージを持ち、平均台の上を進むように、線上をまっすぐ歩きます。それだけでインナーマッスルを使うためバランス感覚が整い、体を1本の軸で支えられるようになると、歩いても疲れない体になっていきます。
②歩幅を広げる
歩幅(縦方向)が狭いと足幅(横方向)が開き、すり足の原因になります。いつもの歩幅から自分の靴1足分広げてみましょう。胸郭が広がって重心のバランスも取りやすくなり、自ずとひざを伸ばして蹴り出す形になるので、歩き方がきれいになります。
③腕を後ろに引く
腕は、体の横のラインを中心に、前後均等に振るのが正しい形ですが、多くの人は「後ろに引く」動きがおろそかになっています。腕をしっかり引くことで肩甲骨に刺激が入り、胸が開いて姿勢も改善します。
3つの柱を実践するための7つの動き
3つの柱を正しく実践できるよう、歩く前に以下の7つの動きを取り入れてみて。①から順番に行います。
①つま先を外に向ける
脚のラインをきれいに見せ、内ももが使いやすくなる
②内ももを締める
1本の線の上を歩きやすく、歩幅を広げやすくする
③おへそをへこませる
腹圧が高まり姿勢が整う
④胸を持ち上げる
胸を「張る」と反り腰になりやすいので「持ち上げる」意識で
⑤肩を落とす
腹圧をかけ胸を持ち上げると肩に力が入りやすいので、ストンと落としてリラックス。肩は緊張させない
⑥首を立てる
あごを引くのではなく首を立てる。一度天井を見上げてから、首の後ろを伸ばすようにすると◎。
⑦口角を上げる
最後に笑顔でリラックス。表情筋を柔らかくして呼吸を深める
ウォーキングTips
- ・歩くなら朝がおすすめ。太陽の光がセロトニンの分泌を促し、1日の活力にもつながります。
- ・片手でバッグを持っている場合は、持っていない方の腕をしっかり引くことが大切。また、体は少し使うだけでもバランスを取ろうとする力が働くので、右手で10分持ったら左手で1分持つ、というように、時々持ち替えるとよいでしょう。
- ・歩くと決めている日のバッグは、斜めがけなど体に密着するタイプが◎。リュックなら、体の前面で固定できるタイプを選びましょう。
今村さんからのメッセージ
人は姿勢がいい、歩き方がきれいなだけで、堂々として見えたり、生き生きとした印象になります。マナーやおしゃれのセンスは一朝一夕で身につきませんが、歩き方を変えるのは比較的簡単なのではないかと思います。少し意識するだけでも周りから見た印象は大きく変わりますし、自分に自信がつけば、内面もどんどんポジティブになっていきます。歩き方には人生が表れるもの。ぜひチャレンジしてみてください!
応募期間
2025年 5月1日(木)~ 5月31日(土)まで
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