気分がふさぐ、やる気がでない…春の「メンタル不調」を乗り越える!

暖かくなって桜が咲き、本来なら心がウキウキする春。しかし、一方で不安やストレスに悩む人が増える季節ともいわれています。今回は心療内科医の興梠真紀先生に、春にメンタルが不調になりやすい理由や、早めに気づいておきたいストレスのサイン、対処法などについてうかがいました。

興梠 真紀先生
Profile
興梠 真紀先生

心療内科医、東京はなクリニック院長。精神科専門医、精神保健指定医。労働衛生コンサルタント。慶應義塾大学医学部卒業後、都内総合病院精神科にて臨床研鑽を積み、科学的なエビデンスを重視した、負担が軽く効果の高い治療を推進・実践。産業医経験も豊富で、働く人のメンタルヘルスサポートも行っている。

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CHAPTER 1
どうして?

春のメンタル不調の
理由

木々の新芽が一斉に芽吹く春先は「木の芽時」とも呼ばれ、植物や生物のエネルギーが感じられる時期。同時にさまざまな「変化」が起こるタイミングでもあり、心身が対応できずに不調が起こりやすいと考えられます。

環境の変化

進学や就職、部署の異動、転勤など、春は人間関係や環境の変化が多い季節。慣れない環境はストレスを感じやすく、気持ちが不安定になることがあります。特に、自分自身に加え家族の環境変化に関わることが多い女性は、ストレスが多重的にかかり疲れ切ってしまうケースも。

気候の変化

春先はまだ気温や天気の変化が大きく、寒暖差などで自律神経のバランスが乱れがち。それに伴い生活リズムが崩れたり、心身の不調も起こりやすくなります。

花粉症

くしゃみ・鼻水・鼻詰まりといった花粉症の症状により、頭がぼーっとして集中できず、メンタル面にも影響を及ぼすことがあります。

気力に体力が追いつかない

生物が活動的になる春は、人間も同様に、冬から春へのシフトチェンジを始めます。新しいことを始めてみようとする気力も湧いてくるもの。しかし冬の間に落ちた筋力や体力がついていかず、自信を失ってメンタル不調に陥ることも。

CHAPTER 2
あなたは当てはまる?

心身の状態をチェック

忙しい毎日を送っていると、不調を自覚しないまま、あるいはなんとなく気づいていても、そのままやり過ごしてしまうことってありますよね。つらい時期を長引かせないためにも、まずは自分の今の状態をチェックして、早めのケアにつなげましょう!

メンタル不調
チェックシート

  • ①布団に入ってもなかなか眠れない
  • ②イライラする、怒りっぽくなった
  • ③理由もなく涙が出る
  • ④ここしばらく心から笑えていない
  • ⑤食べ過ぎてしまう、
    もしくはまったく食欲がない
  • ⑥毎日のメイクや服を考えるのが
    面倒くさい
  • ⑦部屋がぐちゃぐちゃに散らかっている
  • ⑧友だちや知人と会うのが
    おっくうになった
  • ⑨文章を読んでも内容が
    なかなか頭に入ってこない
  • ⑩頭痛や肩こりがひどくなった
  • ⑪腰痛、背中の痛みがある
  • ⑫特に悪いところはないのに動悸がする

★上記のうち3つ以上当てはまる、あるいは①⑨⑪⑫にチェックが入った場合は少し注意が必要かも。その症状が長引き、日常生活に影響を及ぼすようであれば、心療内科の受診も検討してみてください。

CHAPTER 3
ストレスに負けない!

効果的なセルフケア

環境の変化などでかかるストレスは避けようがないけれど、セルフケアを取り入れてメンタルの負担を軽減することはできます。上記のチェックシートで当てはまる項目があった人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

睡眠の優先順位を上げる

メンタルの不調であっても、体を整えることが改善の基本です。とりわけ睡眠は、体がもつ回復力を最も引き出してくれるもの。やることが多く睡眠時間を削りがちな人は、行動の優先順位を変えて「睡眠ファースト」を心がけましょう。

軽い運動を取り入れる

「眠りたくても眠れない」のは、体は疲れていないのに頭だけがフル回転している、脳と体のバランスが悪い状態。スムーズな入眠のためには、軽く汗ばむ程度のウォーキングなどを取り入れるとよいでしょう。

夜は気持ちが落ち着く
ココアやホットミルクを

寝付けないからとお酒を飲むのはNG。少量でも睡眠の質を下げてしまいます。夜に飲むなら、ココアやホットミルク、豆乳、アーモンドミルクなどがおすすめです。ゆっくり飲むとホッと気持ちが落ち着き、入眠しやすくなりますよ。

食事はたんぱく質・ビタミンB・
鉄を意識して

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンや、良質な睡眠に欠かせないメラトニン、喜びや意欲をもたらすドーパミンなどの神経伝達物質は、たんぱく質からつくられます。毎食片手に乗る程度のたんぱく質を摂るよう心がけて。さらに、たんぱく質の分解を助けるビタミンB群と鉄は、神経伝達物質の合成に欠かせない栄養素。合わせて摂ることで、メンタルが安定しやすくなります。

◎1食で摂るたんぱく質の目安
(手のひら片手分)

肉・魚100g前後、豆腐1/3丁、卵1個、納豆1パック

◎ビタミンB群を多く含む食品

豚肉、鶏肉、かつお、まぐろ、鮭、玄米

◎鉄を多く含む食品

豚/鶏/牛レバー、かつお、納豆、小松菜、ひじき

体の力を抜く

過度なストレスにさらされていると、無意識のうちに体に力が入り、ガチガチの緊張状態に。顔のパーツを中心に寄せてゆるめる、肩をぎゅっとすくめてからゆるめる…といったように、一度力を入れてから弛緩(しかん)すると、無駄な力が抜けてリラックスできます。

自分にポジティブな声掛けをする

メンタルが落ちているときはネガティブな感情に支配されやすく、そこから抜け出せない悪循環に陥りがち。自分にポジティブな声掛けをすることで、気持ちを切り替えることができます。例えば「疲れた」を「頑張った」「よくやった」に変換して、実際に言ってみましょう。声に出すことで聴覚にも働きかけ、セルフケアの効果が高まります。

興梠先生からのメッセージ

興梠 真紀先生春先は変化が多くストレスを感じやすい季節。だからこそ、いつもより手抜きするくらいでちょうどいいと思います。「やらなければならない」ことは減らして「やってみたい」ことを優先したり、終わらない仕事も「はい、今日はここまで」と自分に声掛けをしてストップしてみる。自分で自分のケアをしてあげることはとても大切です。気候的には太陽が応援してくれる季節なので、ゆったり構えて通り過ぎるのを待つ、という心持ちで過ごしてみてくださいね。

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