なってからじゃ遅い!秋冬に増加するこむらがえり対策

突然ふくらはぎや足の指がつって激痛が走る「こむらがえり」。ひどい時には脂汗をかいてのたうち回るほどの痛みに襲われることも…!実は、昼夜の温度差が大きくなるこれからの時期は「こむらがえり」多発シーズンでもあるんです。今回は整形外科医の井上留美子先生に、起きてしまった時に落ち着かせる対処法や予防策についてうかがいました!

井上 留美子先生
Profile
井上 留美子先生

松浦整形外科内科院長。日本整形外科学会専門医。地域医療の担い手として日々の診療に当たるかたわら、予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターへの指導を開始。整形外科医としての知識と経験、治療時に指導する筋トレや体操とヨガを組み合わせた「整形外科ヨガ」を発案、2017年に事務局を設立し活動を続けている。

CHAPTER 1
まずはチェック!

こむらがえりの
傾向と対策

手や足は、大脳からの指令を神経を介して筋肉に伝えることで自在に動かすことができます。ただ、何らかの理由で指令回路に不具合が生じ、脊髄から足の間だけを刺激がループして、意思と無関係に筋肉が収縮、けいれんすることがあります。これが「足がつる」現象で、収縮部位の多くがふくらはぎ(=こむら)であることから「こむらがえり」と呼ばれています。

気圧や気温の変化

誰もが一度は経験があるこむらがえりですが、実ははっきりとした原因は解明されていません。ただ、エアコンの効いた室内や天気の急変など、気温や気圧が大きく変わる環境で起こりやすいとされており、冷えは禁物。入浴や靴下で足元を温め、血流を促すことが予防にもつながります。

疲労

合わない靴で歩き回った日、激しい運動をした日の夜、足がつった経験はありませんか?運動後のケアをせず筋肉に疲労がたまったままだと、こむらがえりが起きやすくなります。ストレッチなどで十分筋肉をほぐし、疲れはその日のうちに解消しましょう!

ミネラル不足

筋肉はカルシウムとマグネシウムを使って収縮・弛緩(しかん)しており、マグネシウムが不足すると足がつりやすくなるともいわれています。特に発汗でこれらが失われやすいアスリートの多くは、マグネシウムをはじめ、ミネラルを意識的に摂取しています。普段の食生活で不足しやすい人も摂取を心がけて。

水分不足

体内の水分が不足すると、血中のミネラルイオン(電解質)のバランスが崩れ、代謝や筋肉の収縮が正常に行われず、こむらがえりを起こすおそれがあります。脱水症状にならないよう、運動前や睡眠前は水分補給を忘れずに。ノンカフェインでミネラルも含んだ麦茶などがおすすめです。

寝ている間に足がつるのはどうして?

筋肉を動かす時、脳は単体の筋肉ではなく、複数の筋肉群を記憶し、決まった順番で指令を出しています(シナジーコントロール)。意識的に体を動かす日中とは違い、寝返りのように無意識の動きが多い睡眠中は、この指令がうまく機能しない可能性があります。また、睡眠時の発汗によるミネラルバランスの乱れや、エアコンなどで冷えた足の血流悪化もこむらがえりを引き寄せる要因に。

CHAPTER 2
知って損なし!

足がつった時の対処法

こむらがえりの怖いところは、前触れもなく突然襲ってくるあの痛み…!通常は放っておいても数分程度で治まりますが、正しい対処法を知っておけば、いざという時も落ち着いて痛みを鎮めることができますよ。

湿布や塗り薬で筋肉を落ち着かせる

一番てっとり早いのは、市販の湿布や筋肉痛の塗り薬で筋肉を落ち着かせること。睡眠時によく足がつる方は、枕元に常備しておくと安心ですよ。

「拮抗筋」を収縮させる

拮抗筋(きっこうきん)とは「反対の動きをする一対の筋肉」を指し、どちらかを収縮させると反対側の筋肉がゆるみます。この仕組みを使って、例えばふくらはぎがつったなら、つま先を足の甲に向かって曲げてみて。拮抗筋であるすねの外側が収縮し、反射でふくらはぎの筋肉がゆるみます。

「芍薬甘草湯」を飲む

「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)はこむらがえりに即効性がある漢方薬として知られています。薬局などで購入できるので、こむらがえりを起こしやすい方は相談してみては。

痛みが治まった後は

こわばりなどが気になる場合は、筋肉をやさしくマッサージしてほぐしてあげるとよいでしょう。

CHAPTER 3
痛みを回避!

こむらがえり
予防ストレッチ

足がつりやすい人は、簡単にできるストレッチを習慣にして予防しましょう!ふくらはぎは腓腹筋(ひふくきん)&ヒラメ筋を伸ばすストレッチがおすすめです。足の指は指そのものでなく、足の甲にある「骨間筋」をマッサージするのがポイントです。血流がよくなって、むくみも改善されますよ。

こむらがえり予防ストレッチ

腓腹筋&ヒラメ筋ストレッチ

  1. ①足を前後に開き、前の足は軽くひざを曲げます。後ろ足(伸ばす方)のかかとをつけたままひざを伸ばして、ふくらはぎが伸びていることを感じます。これで腓腹筋がストレッチできます。
  2. ②そのまま後ろ足のひざを曲げると、ヒラメ筋のストレッチになります。かかとはつけたままで。①②それぞれ30秒ほど行いましょう。

骨間筋マッサージ

骨間筋

足の指がつりやすい人や、合わない靴で疲れやすい方に試してほしいマッサージです。足の甲にある、指の骨と骨の間の筋肉(骨間筋)をやさしくほぐします。また、青竹踏みなどで足の裏をほぐしてあげるのも効果的。

ワンポイント

  • ・お風呂上がりなど、筋肉が温まっているタイミングで行うとほぐれやすくなります。
  • ・マッサージは「点」でグリグリと押してしまうと、筋肉を傷つけるおそれがあります。さするか、押すなら「面」を意識して「ちょい痛」程度の強さを心がけましょう。

井上先生からのメッセージ

井上 留美子先生日々、歳を重ねるのはみんな平等!
運動器においては、どう歳を重ねるかがとても大切です。鏡を見てアンチエイジングにいそしむように、毎日、体も気遣ってあげましょう!
良質な食事、睡眠、楽しく継続できる運動とともに、1秒でも多く笑うことが大切だと思っています!

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