ペタンコもうねりも解決!梅雨の髪悩みはコントロールできる!

うねりや広がり、スタイリング崩れにぺたんこ髪…ジメジメ湿気で決まらない髪を、髪質のせいにして諦めていませんか?梅雨時期の髪悩みは、日頃のヘアケアを見直すことで改善できるんです!今回はヘアケアリストの余慶尚美さんに、湿気に負けないヘアケア方法についてうかがいました!

Profile
余慶 尚美さん

美容家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)。髪の総合的な知見に加え、巡り、漢方美容、薬膳といった観点を取りいれた美髪メソッド「髪トレ」を考案。美しい髪のつくり方はもちろん、髪と共に生きていく女性のライフスタイルまでケアする活動に力を入れている。著書に『髪トレ』(主婦の友社)。

CHAPTER 1
湿気が原因!

梅雨に起こりやすい
髪トラブル

髪の形は、内部のアミノ酸同士の結合によって保たれています。この結合は水分を吸い込むと外れ、乾くと再度結合します。梅雨時期の髪トラブルの多くは、湿気で結合が外れた髪内部に必要以上の水分が入り込むことで起こってしまうんです。

湿気を吸ってうねりや広がりに

健康な髪には水を弾く「疎水力」が備わっていますが、ダメージを受けた髪は疎水力が失われ、空気中の水分を必要以上に取り込みやすい状態になっています。湿度の高い時期は結合が外れやすく、また水分が入り込んでゆがんだ髪がそのまま再結合することで、うねりや広がりが生じます。

水分の重みでペタンコに

猫っ毛さんや髪の量が少ない方に多いこの悩みも、水分を吸って結合が外れ、髪の根元の立ち上がりがつぶれてしまうことが原因。またこの時期特有の蒸し暑さで、頭皮が汗をかきやすくなっていることも、ペタンコ髪の一因に。

頭皮の臭いが気になる

夕方になると気になる頭皮の臭いは、しっかり髪を乾かせていないことが原因かもしれません。特に梅雨時期は汗や皮脂の分泌が増えるため、湿ったままの頭皮に雑菌が繁殖して臭いのもとになります。特に朝シャン派の方は要注意!生乾きは頭皮環境を悪化させ、脱毛や薄毛などのトラブルにつながることも。

スタイリングがキープできない

健康な髪が持つ疎水力は髪の内部に水分を通しづらいため、スタイリングをキープする力も高くなります。水結合の影響を受けて崩れやすい時期は特に、髪の疎水性を高めるケアが必要です。

CHAPTER 2
朝に違いを実感!

夜のスペシャルケアで
湿気対策

湿気による髪悩みの解決には毎日のケアがとても重要です。そして、そのカギになるのが、夜の「落とす、うるおす、乾かす」ステップ。丁寧なヘアケアを習慣づけることで、翌朝の、そして将来の髪の状態が確実に変わってきます。

①ブラッシング&予洗いで汚れを浮かせる

シャンプーの前にブラッシングを。頭頂部を起点に(ロングの方は先に絡みやすい毛先をとかしてから)全体をブラッシングします。頭を前に傾け、後頭部から頭頂に向けてとかすと髪や頭皮の汚れが浮き上がり、シャンプー効果が高まります。その後、ぬるめのお湯(38〜40℃)で地肌を予洗い。2分ほどかけて丁寧に行いましょう。

②シャンプーは頭皮をマッサージするように

シャンプーを手に取って広げ、生え際の上、側頭部、後頭部、うなじ付近などに置き、空気を送り込むように指を細かく動かし泡立てます。十分に泡立ったら、頭皮全体をマッサージするように洗います。頭頂部に向けて大きく指を動かすイメージで。髪の毛は予洗いで汚れの半分以上が落ちているので、泡を行き渡らせるだけでOK。その後十分にすすぎます。

③一度タオルドライしてからトリートメント

疎水力を失った髪はトリートメントの有効成分が浸透しづらい状態にあるため、シャンプー後に軽くタオルドライして余分な水分を追い出します。このプロセスで仕上がりが大きく変わってくるので、面倒がらずに行いましょう!
ダメージ部分を中心にトリートメントをつけ、余裕があれば目の粗いくしで全体をとかします。3〜5分(ダメージヘアほど長めに)置いてから、しっかりと洗い流します。

④タオルドライ&ヘアオイル

濡れた髪はキューティクルが開いた無防備な状態なので、ゴシゴシこするのは厳禁!吸水性の高いタオルを髪全体に巻き、上からやさしく抑えるように水分を吸い取ります。6割程度水気を取ったら、根元を避けてヘアオイルを髪全体になじませ、軽くくしを通します。うねりや広がりが気になる部分には多めにつけるとよいでしょう。

⑤ドライヤーでしっかり乾かす

「髪が濡れている時間は極力短く」がヘアケアの鉄則です。自然乾燥はNG!タオルドライ後は時間を置かずドライヤーをかけましょう。
一番髪が多い後頭部の根元から、側頭部、前頭部の順に温風(ターボorスカルプモード)を当て、頭皮を中心にしっかり乾かします。ダメージの原因になるので、同じ箇所に5秒以上当てないこと。8割程度乾いたらドライヤーを下に向け、温風と冷風を切り替えながら仕上げます(次項「指アイロン」を参照)。

梅雨時期のヘアケアQ&A

Q
ブラッシングはシャンプー前だけでいい?
A
ブラッシングには汚れを浮かせる効果だけでなく、ブラシに含まれた油分や頭皮の脂を髪全体に行き渡らせるトリートメント効果、頭皮の血流を促進する効果があります。髪のうねり・広がり改善には、豚毛・猪毛などの動物毛のブラシや、つばき油を染み込ませたつげぐしで、1日4〜5回ブラッシングすると効果的。ペタンコ髪になりやすい方は、ナイロン製のブラシなどがオススメです。
Q
梅雨のペタンコ髪にもトリートメントやオイルは必要?
A
油分で髪の毛がペタンコになってしまうのであれば、無理に使う必要はありません。ただし、シャンプーは保湿成分が含まれているものを選び、ロングの方は毛先だけにつけるようにするなど、髪の状態や季節に応じて使い分けて。
Q
シャンプーは夜にした方がいい?
A
頭皮の細胞も肌と同様、睡眠中に修復されます。皮脂や汚れがついたままの頭皮からは、健康な髪が育ちません。10年後も美しい髪でいるために、その日の汚れはその日のうちに落とし、頭皮を清潔にしてから寝る習慣をつけましょう。
Q
ドライヤーをかけるときにブラシを使ったほうがいい?
A
ブラシでしっかりテンションをかけるブローを毎回行うと頭皮に負担をかけ、薄毛や抜け毛の原因になります。夜のドライヤーは手ぐしのみで乾かし、最後に全体をブラッシングすればOK。翌朝のスタイリング時にストレートアイロンやカールアイロンを使って整えましょう。
CHAPTER 3
これで自由自在!

髪のコントロール
テクニック

毎日のヘアケアに加え、ちょっとしたポイントを押さえておくことで、梅雨時期の髪悩みがグンと軽減します。髪の状態に応じたコントロールテクニックを身につけて、湿気に負けない美髪を目指しましょう!

ドライヤーで乾かす際の仕上げに。毛束を一筋取り、中指と人差し指ではさんで軽く下に引っ張り、うねった部分をアイロンで伸ばすように、上から下方向に風を当てます。温風・冷風を切り替えながら仕上げ、最後に弱めの冷風を当てると、キューティクルの流れが整ってツヤが生まれます。この「指アイロン」をかけておくことで髪がまとまり、翌朝のスタイリングも楽に!

ペタンコ髪は分け目を固定しない

髪が細く少ない方は、くっきり分け目をつくると地肌が目立ち、どうしても老けて見えてしまいます。くしの先を使って頭頂部の髪をジグザグに取って分け目をぼかしたり、いつもと逆側で分けるようにすると根元が立ち上がりやすくなり、ふっくらしたシルエットに近づきます。

悩みに合わせてオイルや美容液を投入

髪の量が多く、うねりや広がりがお悩みの方は、アルガンオイルやモロッカンオイルなどの重めオイルをチョイス。広がりを抑えてまとまりやすくしてくれます。ペタンコ髪が気になる方は、ホホバオイルや月見草オイルなど軽いテクスチャーのものを毛先のみに使うとよいでしょう。
また、髪の根元が立ち上がりにくい猫っ毛さんやエイジングヘアには、育毛効果のある頭皮美容液がオススメです。

余慶さんからのメッセージ

ヘアスタイルは若々しくみせるため、そしてファッションを楽しむためにとても重要なパーツです。忙しくてヘアケアにかける時間がない、という方も少なくないと思いますが、今のあり方が5年後、10年後の髪状態につながっていきます。
梅雨時期に限らず、日頃の基本ケアを大切にしながら、美しく健やかな髪を育んでいきましょう!

オススメ記事