おうちがもっと好きになる いま育てたい観葉植物

ひとつあるだけで、お部屋を心地よい空間に変えてくれる観葉植物。インテリアに取り入れるなら、植物が生育期に入る春がチャンス!いきいきした新芽や葉が、おうち時間をリフレッシュしてくれますよ。今回はグリーンショップ「ワールドガーデン」の木下健二さんに、観葉植物のお世話の方法や、初心者にも育てやすい品種を教えていただきました!

Profile
木下健二さん

観葉植物専門店「ワールドガーデン」スタッフ。自身はトレンドのコーデックス(塊根植物)やアガベ、ビカクシダやブロメリアといったビザールプランツ(珍奇植物)が大好きで、「なんだこれ!」と衝撃を受けたら即購入。個性的な見た目の植物に囲まれた生活を楽しんでいる。

CHAPTER 1
インテリアのひとつと考えるべし!

観葉植物の飾り方

観葉植物を迎えるときにまず押さえておきたいのが、「その植物の生育に適した場所」を確保すること。あとは部屋の広さや好みに合わせて、大きさや置き方を決めましょう。部屋が狭くても成長後の樹形をつかんでおくと、スペースを生かした飾り方ができます。

大型植物を部屋のシンボルツリーに

スペースがあれば、ぜひ大型のシンボルツリーを。幹が太く葉が大きいものは存在感があり、葉が小さめで枝垂れるタイプは優しい印象を与えます。大きさは目線よりも高いものがおすすめ。空気の通り道(天井から10〜15cm)が確保できる高さを上限に選びましょう。
大型のものは部屋の角に置きがちですが、空気がこもりやすく、植物にとってあまり居心地のいい場所とはいえません。風通しのよい場所を選んであげて。

◎人気の品種

フィカス(画像/アフリカンプリンス)、ドラセナ

複数の植物を組み合わせて
「小さな森」を楽しむ

狭い部屋の場合、品種よりも鉢のサイズを重視して。8号(直径24cm)程度であれば、伸びた枝を剪定することでちょうどよい大きさを保てます。
棚に飾るなら、葉が大きく存在感があるアロイド(サトイモ科の植物)がおすすめ。縦に伸びるドラセナの品種、葉が横に広がるモンステラなど、成長後の形に合わせて置き場所を決めるとよいでしょう。
また、高さに変化をつけながらいくつかまとめて飾ると、小さい森のようなナチュラルな空間に。

◎人気の品種

アロイド(画像):モンステラ、ポトスなど
シダ類:アジアンタムなど

吊るして空間や
小さなスペースを活用

スペースはほとんどないけれど植物を飾りたい!という方は、カーテンレールなどにも吊るせるハンギングタイプ(画像)を選んで。エアプランツなら、壁にかけたり、ただ置くだけでもOK。また、デスク周りには小さなサボテンや多肉植物がマッチ!おしゃれな陶器鉢に入れてみたり、大鉢ではできない楽しみ方ができますよ。

◎人気の品種

エスキナンサス、リプサリス(ハンギングタイプ)

CHAPTER 2
長く楽しむ重要ポイント!

観葉植物の
お世話の仕方

植物はもともと外で育つもの。だから、室内であってもできるだけ自然に近い環境をつくることが、観葉植物と長くつき合うコツです。ここでは、ガジュマルなど、人気の高い亜熱帯生まれの植物を例に、育て方のポイントをご紹介します!

置き場所

できるだけ明るく、風通しのよい場所に置きましょう。風は光合成や水の蒸散運動を促す、植物の生育になくてはならないもの。特に夏場に部屋を締め切ったままにしていると、人間同様に植物も熱中症を起こして枯れてしまいます。サーキュレーターを使って空気を循環させるか、窓を開けて換気を。また同じ風でも、乾燥したエアコンの風はNG。直接当たる場所は避けて。

日当たり

観葉植物の多くは耐陰性があり、太陽光がなくても室内灯で光合成が可能ですが、本来は日光を好む性質です。ただ直射日光は葉焼けを起こしてしまうので避けます。カーテン越しの光がベスト。

季節ごとの水やり、肥料のあげ方

:土の表面が乾きはじめたら、鉢底から流れるくらいたっぷり水を与えます。受け皿に水がたまったままだと根腐れするので必ず捨てること。葉水(霧吹きで葉に水を与える)は毎日、気温が上がる前の朝に行いましょう。肥料は4月下旬以降に。ゆっくりバランスよく効いていく固形肥料(緩効性)を土の上に置けばOK。

:湿度を好む亜熱帯の植物にとって乾燥は大敵。土中の水分が乾きやすい夏場は、水切れが起きないよう土の状態をよく見て、乾きはじめたら水を与えます。エアコンの風は葉の水分も奪うので、葉水も1日数回たっぷりと。真夏の過酷な環境に備えて、夏に入る前に活力剤を与えてもよいでしょう。

:基本的に春と同じですが、肥料を与えるのは10〜11月までにします。

:植物が休眠期に入る冬は、土の表面を触って乾いていたら冷え込む時間を避けて水やりを。葉水は冬も必須です。肥料は与えません。

剪定・植え替えの方法

剪定はあまり難しく考えず、色が悪くなった葉や、伸びすぎた外側の部分を切ればOK。
植え替えは根に負担がかかり、植物にストレスがかかるので極力少なめに。鉢底から根が伸びて根詰まりしていたら植え替えのサインです。気温が安定している4〜5月か9〜10月に、根を触らないよう1〜2号サイズアップした鉢に移します。

CHAPTER 3
いま飾りたいのはコレ!

おすすめの観葉植物

身長をはるかに超えるシンボルツリーから手のひらサイズのサボテンまで、観葉植物は千差万別!種類が多すぎて迷ってしまう、という観葉植物ビギナーさんのために、タイプ別のおすすめ植物をご紹介。おうちに迎えたくなる植物がきっと見つかるはず!

まずは育てやすい品種がいい!

ガジュマル、パキラ

おなじみのガジュマル(①手前)やパキラ(①奥)は、育てやすい品種の代表格。同じフィカス属のウンベラータ、アフリカンプリンス、モンステラ、フランスゴム(②)もおすすめです。

あまり見かけない個性派を育てたい!

コウモリランエレファントティス、
ヒルデウィンテラカラデモノニス

アフリカ原産のシダの仲間・エレファンティス(③)は、その名のとおり象の耳のように広がる胞子葉が特徴的。動物のしっぽを思わせるヒルデウィンテラ(④)や、子株がウサギの耳にそっくりなバニーカクタス(⑤)はサボテンの仲間で、いつまでも見ていたくなるかわいさ!

変化を楽しみたい!

エバーフレッシュ、タベビア

花や実をつけたりと、生育上の変化があると愛着もさらに深まります。エバーフレッシュ(⑥)はその繊細な葉形が人気ですが、春から夏に綿毛のような花が咲きます。ラッパ型の可憐な花を咲かせるブラジル原産のタベビアも魅力的。

木下さんからのメッセージ

観葉植物は事前にいろいろ調べて検討するのもいいけれど、まずは自分の感覚を大事にしてほしい、と思います。「珍しい」「面白い」「かわいい」から入ってOK!その植物が住んでいる環境に多少合わなかったとしても、人間側が寄り添うことはできます。愛情を注いで、楽しみながら育てるのが植物にとっても一番。お気に入りのひとつをぜひ探してみてください。

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