紫外線吸収剤・紫外線散乱剤とは?日やけ止めの選び方を解説

2025.06.26

10分

紫外線吸収剤・紫外線散乱剤とは?日やけ止めの選び方を解説

紫外線対策として、日やけ止めは季節を問わず欠かせません。特に日差しが強くなる季節には、より丁寧なケアが求められます。その際に重要なのが、日やけ止めの成分に関する正しい知識です。例えば、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の違いを理解している人は、意外と多くないかもしれません。

そこで本記事では、紫外線吸収剤と散乱剤の違いや、それぞれのメリット・デメリット、日やけ止めの選び方について解説します。日やけ止めに関する正しい知識を持つことで、より肌トラブルを未然に防ぐことができるようになります。

紫外線吸収剤とは?

紫外線吸収剤とは、紫外線(UV)を吸収し、熱や無害なエネルギー(赤外線)に変換して放出する化学物質のことです。

日やけ止め商品には、ケミカル成分配合またはケミカル処方と記載されています。日やけ止めや化粧品に広く使用され、紫外線による肌ダメージを防ぐ効果が期待できます。UV-A(長波長紫外線)やUV-B(短波長紫外線)といった異なる波長の紫外線に対応し、それぞれ専用の吸収剤が使用されます。

紫外線吸収剤に対して、「肌に悪いのではないか」というイメージを抱くこともあるでしょう。しかし、近年では技術の進化により、紫外線吸収剤を肌に直接触れさせないようにコーティングした製品や、肌に優しい成分を組み合わせたタイプの日やけ止めも多数登場しています。

肌に違和感がなければ特に避ける必要はありませんが、不安な人は使用前にパッチテストをおこない、肌への影響を確認することをおすすめします。

紫外線吸収剤のメリット・デメリット

紫外線吸収剤を選ぶ前に、良い点と悪い点を知っておきましょう。

【紫外線吸収剤のメリット】

  • 紫外線を吸収し日やけを防ぐ
  • 軽い使用感で肌に塗りやすい
  • 様々な製品に応用されている

【紫外線吸収剤のデメリット】

  • 肌が敏感に反応することがある
  • 肌に直接触れるとかぶれることがある
  • 長時間の使用で効果が薄れることがある
  • 水や汗で流れやすいタイプがある

紫外線吸収剤は、白浮きせず使いやすい反面、肌への負担や効果の持続性に注意が必要です。使用前にメリットとデメリットを理解し、自分の肌に合った日やけ止めを選びましょう。

紫外線散乱剤とは?

紫外線散乱剤は、肌の表面で紫外線を物理的に反射・散乱させることで、紫外線から肌を守る成分です。酸化亜鉛や酸化チタンが代表的な化合物で、酸化亜鉛はUV-Aを、酸化チタンはUV-Bを防ぎ、両方を組み合わせた製品も多く見られます。

このタイプの日やけ止めは、肌の上に薄いバリアを形成し、紫外線が肌内部に届く前に跳ね返す仕組みを持っています。紫外線吸収剤とは異なり、紫外線をエネルギーとして吸収することなく、そのまま拡散するため、化学反応を伴わず肌への負担が少ないのが特徴です。

紫外線散乱剤は「ノンケミカル処方」と呼ばれるのが一般的で、特に敏感肌の人や子ども向けの日やけ止め製品に多く使用されています。

紫外線散乱剤のメリット・デメリット

紫外線散乱剤のメリット・デメリットを紹介します。

【紫外線吸収剤のメリット】

  • 肌の表面で紫外線を反射・散乱させて紫外線をブロックするため、肌への負担が比較的少ない
  • 化学反応を伴わないため、敏感肌や子ども向けの日やけ止めに使える
  • UV-AとUV-Bの両方に対応できる

【紫外線吸収剤のデメリット】

  • 散乱剤は白色の粉末なので、白浮きしやすく肌に塗った際に白っぽく見えることがある
  • 塗り心地がやや重たく、べたつきを感じることがある
  • 製品によっては粉っぽく、ムラになりやすいことがある

近年では微粒子化技術の進化により、SPF40以上の高い防御力を持ちながら白浮きを抑えた製品も登場しています。SPFに関しては次の章で解説しています。

日やけ止めの「SPF」と「PA」について

日やけ止めには、「SPF」と「PA」という表示が必ず記載されています。それぞれの表記は紫外線防止効果を表す指標で、どれだけ紫外線から肌を守れるかを数値や記号で示しています。

SPFとは?

SPFとは、「Sun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)」の略で、紫外線B波(UVB)に対する防御効果を示す指標です。日やけによる肌の赤み(サンバーン)を防ぐ効果を数値で表し、SPF値が高くなるほどUVBをブロックする力が強くなります。

ただし、いくらSPF値が高い製品を使用しても、きちんと塗布できていないと、数値どおりの効果を発揮することはできません。また、汗や水により日やけ止めが流れ落ちることもあるため、2〜3時間ごとに塗り直すのがおすすめです。

PAとは?

PAとは、「Protection Grade of UVA(プロテクショングレードオブUVA)」の略で、紫外線A波に対する防御効果を示す指標です。UV-Aは波長が長く、雲や窓ガラスを通過しやすいため、肌の奥深くにまで届き、シワやシミ、もたつきなどの光老化の原因となります。

PAは、UVAに対する防御力を「+」の数で表し、「PA+」〜「PA++++」の4段階あります。「+」が多いほど防止力が高いことを示しています。

もともと日本で開発されたPAという指標は、紫外線による肌ダメージをより正確に評価し、消費者が適切な日やけ止めを選べるようにするために導入されました。現在、多くの製品がPAの表記を採用し、用途に応じた選択が可能となっています。

迷ったときの日やけ止めの選び方

数多くの種類の日やけ止めが販売されているため、どれを基準にして購入するべきか迷う人も多いでしょう。ここでは、自分に合った日やけ止めの選び方を解説します。

使用シーンに合わせて選ぶ

日常生活や通勤、買い物などの短時間の外出であれば、SPF25・PA++程度の日やけ止めでも紫外線対策が可能です。数値が低いと肌への負担も比較的少なく、洗顔料やボディソープで簡単に落とせるタイプも多いため、肌トラブルを避けやすいというメリットがあります。

一方、炎天下でのレジャーやスポーツ、長時間の屋外活動では、SPF50・PA++++といった高い数値を持つ日やけ止めを選ぶのがおすすめです。ただし、汗や水に強いウォータープルーフタイプであっても、定期的な塗り直しが必要です。

保湿成分配合のものを選ぶ

日やけ止めは紫外線から肌を守るために欠かせませんが、なかには乾燥しやすいタイプもあります。そのため、乾燥肌や敏感肌の人は、保湿成分がしっかり配合された日やけ止めを選ぶことがポイントです。

保湿成分が含まれている製品は、肌のうるおいを保ちながら紫外線対策ができます。

パッチテスト・アレルギーテスト済みのものを選ぶ

肌トラブルが心配な人は、日やけ止めのパッケージに「パッチテスト済」や「アレルギーテスト済」と記載された製品を選ぶようにしましょう。これらの表記は、製品が事前に一定の基準でテストされ、肌への影響があるか確認されていることを示しています。

すべての人に肌トラブルが起こらないわけではありませんが、敏感肌向けに肌への負担を抑えた成分で処方されているケースが多く、リスクを軽減できます。

日やけ止めの適切な塗り方のポイント

日やけ止めの適切な塗り方として、以下のようなポイントがあります。ぜひ参考にしてください。

【日やけ止めの適切な塗り方】

  • 塗る前に肌を清潔に保つ
  • 適切な量を塗る
  • 2~3時間ごとに塗り直す
  • 重ね塗りをする
  • 顔だけでなく首や手にも塗る
  • 化粧下地としても使用する

特に暑い日は汗とともに日やけ止めが流れてしまうため、メイクをしていてもこまめに塗り直すことが大切です。

紫外線から肌を守るために自分に合った日やけ止めを選ぼう!

紫外線吸収剤は、日やけ止めに使用される紫外線防止成分で、紫外線を吸収し熱や無害なエネルギーに変換して放出することで、皮膚を紫外線から守ります。

また、紫外線散乱剤タイプの日やけ止めもあるため、どちらが自分の肌に合っているかを見極めることが大切です。適切な日やけ止めを選ぶことで、紫外線によるダメージをしっかり防ぎ、健やかな肌を保てるでしょう。

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