「冷え解消=温まる」といえば温泉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?日本の天然温泉は単純温泉、塩化物泉、硫酸塩泉、イオン泉など、さまざまな種類に分類されますが、中でも炭酸泉は、血行を促進して温まり効果が持続するといわれています。日本でも数少ない炭酸泉「大分県の長湯温泉」はお湯の温度が低いながらも長時間入浴することで体が温まり、療養泉としても有名です。
炭酸泉は日本よりもヨーロッパに多く存在します。中でもドイツは古代ローマ時代から存在する温泉保養地が多数あり、炭酸泉は血管、心臓などの障害を治療するほか、リハビリテーションにも使用されています。
炭酸ガスは源泉が低温なほうが大量に包含できるため、火山活動の盛んな日本の源泉は高温となり、炭酸泉が少ないといわれています。日本で湯治といえば熱い温泉につかることをイメージしますが、低温の温泉が多いヨーロッパではぬるめのお湯に長時間つかる入浴療法が一般的のようです。
- 泉温
- 32~34℃
- 炭酸濃度
- 1,000ppm
- 入浴時間
- 10~15分程度
- 入浴回数
- 週3~4回(最長で4週間滞在)
毎日温泉に入れればいいのですが、なかなかそうはいかないですよね。まずは湯船にゆっくり浸かって体を温めることからはじめてみましょう。さらに、入浴剤を上手に利用して最大限の入浴効果を得られるよう工夫してみましょう。
ドイツや大分の長湯温泉などの自然炭酸泉のpHは6.7〜7.1の中性です。このpHでは炭酸ガスは湯中に存在できず、ほとんどが「重炭酸イオン」に変化しています。この「重炭酸イオン」が自然炭酸泉の温浴効果や清浄効果を高め、血流を上げて体を温めているものと考えられています。
自宅でも「重炭酸イオン」が溶けたお湯に入浴することで、冷え知らずのポカポカ効果を体感することができます。
重炭酸の溶けた41℃以下のぬるめのお湯にゆったり15分以上浸かるのが「重炭酸温浴法」です。温浴効果で血流を促進するので、体のすみずみまで温まり、入浴後もポカポカが続きます。
少しぬるく感じる温度でじっくり芯から温め、体温そのものを上げて体質を改善することを目的としています。
※療養目的の場合は20分以上の入浴が効果的です。
入浴直後は体が大変温まっているので、就寝の30~60分前に入浴を終えていることがおすすめです。
つらい冷え性を解消するには、まず体温を上げることが必要です。そのためには、毎日入浴で効率的に体を温めて、冷えない体づくりをすることが大切。まずは毎日ゆっくり湯船に浸かって体をじっくり温めることからはじめてましょう。最近では手軽に買える重炭酸の入浴剤もあるので利用するのもおすすめです。