夏のファッションとしてすっかり定着した浴衣。だからこそ、せっかく浴衣を着るのであれば、ひとつ上の着こなしをマスターしたいもの。今回は、京都に本校がある「服部和子きもの学院」副院長の服部有樹子先生をお迎えし、浴衣美人にふさわしい装い方を教えていただきました。
服部和子きもの学院副院長。京都生まれ、京都育ち。
院長服部和子の長女、鏡リュウジ(心理占星術研究家)の妹。呉服商社京都丸紅(株)勤務中、京都きものの女王に選ばれてきもの振興に務めた事が転機となり、着付けの世界へ。指導だけにとどまらず、TV・雑誌で着つけの仕事を数多く担当し、コーディネーターとしても活躍中。
浴衣を着たら、さっそく街へ出かけたくなりますよね。どこに着て行くかによって、持ち物はもちろんコーディネートも変わってきます。恥ずかしい思いをしないためにも、基本マナーを押さえておきましょう。
浴衣を着る時期は、本来7月から8月まで。6月、9月は足袋を履いて半襟をつけて単衣の夏着物として楽しめます。透け感のある浴衣は真夏向けなので6月や9月には向きません。柄行きや素材感で選ぶとよいでしょう。
夏祭りや花火大会以外で浴衣を着る場合は、「足袋をはく」「半襟をつける」など着物と同様に着付けると、グッとよそ行き感が出ます。また、本来浴衣は洋服にたとえるとラフなワンピースのようなもの。結婚式や高級レストランなど正装が求められるような場所では控えましょう。
よそのお宅に裸足で上がるのはマナー違反。最近は履きやすい足袋ソックスもあるので活用してみて。
荷物が増えた時に風呂敷をバッグ代わりにしてまとめたりできるのでオススメです。
浴衣姿も着付けの仕方で大きく印象が異なります。全体のバランスで、スタイルも違って見えるもの。浴衣上級者の着こなしを身につけて、ワンランク上の大人の浴衣姿を目指してみませんか?
襟足を見せる(衣紋)ことが、女性の着物の特徴。後ろ襟を美しく抜くことが、女性らしい姿を作るポイントです。
- 首からこぶし1つ分が目安。首や背中のラインが美しく見えるポイントを探して。
- つめすぎ、抜きすぎはNG。
おはしょりとは、1枚の生地である浴衣が立体的な体に着付けられる時に、必要な調整をしてくれるゆとり部分。体型カバーや着崩れ防止にもなります。
- おはしょりは腰骨のあたりまでキレイにたくし上げましょう。見える部分は5~6cmが理想です。
- 長すぎるおはしょりはだらしなく見えます。帯の中に折りこんで。
着物の種類や着て行く場所によって裾の長さに変化をつけるのは理にかなったこと。浴衣は短めにして涼しげに。
- 素足に下駄をはく場合は、くるぶしくらいの長さで。夏着物として着る場合は、かかとが隠れるくらいに。
- 短すぎると子供っぽくなってしまうので気を付けて。
巾着や籠バッグなどがオススメ。持ち手が短く横長のバッグだとバランスが取りやすいです。
襟足、耳元、前髪を涼しげに見せるのがポイント。アップにしたりまとめたりして、頭を小さく見せましょう。
かかとがちょっと出るサイズが◎。軽めのものを選びましょう。前もって試し履きをして鼻緒をなじませておくといいでしょう。