
- ナビゲーター:皮膚科医/有川 順子先生
- 有川スキンクリニック院長。日本皮膚科学会専門医。医学博士。東京女子医科大学を卒業後、同大学皮膚科学教室に入室、助手を務める。六本木ヒルズ皮膚科医長を経て、有川スキンクリニックを開設。
実は春の肌が一番乾いている!?ゆらぎ肌トラブルに要注意
2~3月にかけては、寒暖差が激しく湿度も低いため、実は最も肌の水分量が少ない時季なのです。そのため、肌のバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすい状態に。肌が不安定になることで、「ゆらぎ肌トラブル」に発展します。
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- 乾燥
- 冬の厳しい環境にさらされて、肌の内部までカラカラに乾燥した状態に
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- 不安定
- 角質層が乱れることでバリア機能が低下し外部刺激を受けやすい状態に
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- 敏感
- 春の風で舞い散った花粉やホコリが肌に付着し、深刻な肌トラブルに発展
- 春特有の花粉やホコリでさらに
肌トラブルが加速 - バリア機能が低下した不安定な肌に、春特有の強い風で飛散した花粉やホコリが付着すると、「ムズムズ」「ピリピリ」と刺激を感じるようになります。「春先だから仕方ない…」と放っておくと、炎症を起こしてかぶれや湿疹になることも。美肌キープのためにも、早めの対処が必要なのです。
ゆらぎ肌を立て直して美肌をつくる
美肌方程式は、「落とすケア」と「バリア機能回復&強化ケア」が基本
春先のスキンケアは、まず刺激の原因となる花粉やホコリを洗顔による「落とすケア」でクリアにするのが大切。
ポイントは肌に負担をかけない洗顔アイテムを使用すること。
そして外部刺激を受けにくい肌をつくるために、バリア機能を回復させて強化する「保湿ケア」でしっかり肌をうるおすこと。
この「落とすケア」と「保湿ケア」でゆらぎ肌を立て直しましょう。
美肌方程式①
肌に負担をかけない“ミルククレンジング”でやさしくメイクオフ
- 【1】使用量を守る
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メイクの濃さにあわせて適量を使用することで肌への刺激を少なくしてやさしくメイクオフできます。
クレンジング剤の使用量が少なすぎると肌への摩擦が大きくなり、刺激となるため肌に負担がかかります。
- 【2】やさしくなじませる
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肌の上でやさしくクルクルと手を動かしてメイクとクレンジングをなじませます。
指先は力が入り過ぎてしまうもの。指の腹を使うと肌に負担をかけることなく、いたわりクレンジングができます。
- 【3】小鼻周りなど細かいところは丁寧に
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顔全体に行き渡ったら、メイク汚れが残りがちな小鼻、フェイスライン、Tゾーン、Uゾーンは丁寧に。
強い力で肌をこすると摩擦が起きて刺激になるだけでなく、メイクを肌のキメの中に押し戻してしまいます。
- 【4】最後に目元を一方向にぐるり
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肌の上でやさしくクルクルと手を動かしてメイクとクレンジングをなじませます。


- 【5】すすぎは“ぬるま湯”で
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すすぎは30℃程度がベスト。
熱いお湯は、肌のつっぱりや乾燥の原因に。
美肌方程式②
極上の“泡洗顔”で肌をいわりながら汚れを落とす
- 【1】きめ細かい泡をたっぷりと
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泡立てネットなどの道具を使ってしっかり泡立てるのがポイント。
- 【2】皮脂の多いTゾーンに泡をのせる
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まずは、皮脂の多いTゾーンから。その後、顔全体に広げます。
- 【3】泡をクッションにしてブラシをすべらすように
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泡をのせてすべらせるようにやさしくクルクルとブラシを動かします。
- 【4】こすらずやさしくが鉄則
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こすりすぎると刺激になるので注意!デリケートな目元や口元は特にやさしく洗いましょう。
- 【5】30℃のぬるま湯でよくすすぐ
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面倒だからといってシャワーですすぐと、たるみの原因になるので注意。
美肌方程式③
春美肌を育む3step“うるおいケア”
- 【Step1】 化粧水
- うるおいを肌内部のすみずみまで与える
手のひらでローションを温めて顔全体になじませます。肌が手に吸い付くまで、ハンドプレスで浸透させましょう。

SPECIAL CARE
コットンパックで集中保湿
コットンにローションをたっぷり含ませて、乾燥や小ジワが特に気になる部分に3~5分パック。

- 【Step2】 美容液
- 肌がうるおう力を高める
エッセンスを顔全体に丁寧に塗り、ハンドプレスでなじませます。乾燥や小ジワが特に気になる目元や口元には重ねづけをしましょう。
- 【Step3】 クリーム
- うるおいを閉じ込めバリア機能をアップ
顔全体にクリームをなじませた後、軽くマッサージするとハリ・弾力がアップします。年齢が出やすい首やデコルテも忘れずに塗りましょう。
スキンケアにプラス 毎日の工夫で
“春のゆらぎ肌”トラブルを改善
「正しい落とすケア」と「バリア機能回復&強化ケア」に加えて、毎日の生活に
「春のゆらぎ肌トラブル対策」も取り入れてみましょう。
マスクや衣服で花粉から肌を守る
春の空気には花粉やホコリが含まれています。
それらが直接肌に触れないように、マスクや帽子を着用し、長袖を着るなど工夫して肌を守りましょう。
帰宅したらすぐに洗顔
外から帰ってきた肌には汚れが付着しています。
これらの汚れが刺激になるため帰宅したら早めにクレンジング・洗顔を。
肌への負担がぐんと減りますよ。
洗濯物を外に干さない
春風に含まれた花粉やホコリから洗濯物を守るために、この時季は部屋干し、もしくは乾燥機を活用して乗り切りましょう。
睡眠や食事に気をつける
良質な睡眠やバランスの良い食事は美肌づくりに欠かせないもの。6時間以上の睡眠とバランスの良い食事を心がけるだけでも随分変わります。
有川先生より
春風に含まれた花粉やホコリから洗濯物を守るために、この時季は部屋干し、もしくは乾燥機を活用して乗り切りましょう。