この春からスタートした環境の変化などで疲れた心や体を、ちょっとリセット。今年は新緑の美しい「森林浴」にチャレンジしてみては?今回は、森林セラピーソサエティの鈴木舞恋さんに、森林浴の効果や、身近な場所で森林浴を楽しむ方法などを教えていただきました。
NPO法人森林セラピーソサエティ事務局長代理。森林を心身の健康維持・増進のために活用する「森林セラピー」を提唱し、癒しの効果があると実証された各地の森(森林セラピー基地)の認定、森林セラピーの効果を最大限 に発揮し、安全に森林を案内する森林セラピーガイド・セラピストの養成を行う団体「森林セラピーソサエティ」で活動中。
森林セラピー総合サイト:http://www.fo-society.jp/
森林には樹木が出す成分「フィトンチッド」がいっぱい。これは、樹木が自分たちを守るための精油成分。言わば森林は大きなアロマスポットなのです。
緑を見るとなぜかホッとしませんか?緑は安定感や調和を表す色。森林浴に行くと、緑色に囲まれます。森林浴は疲れた目を癒してくれたり、心や体の疲れを癒やしてくれます。
森には木々が風に揺れる音、鳥の鳴き声、遠くから聞こえる川のせせらぎなど、多種多様な音があります。これらは通称「1/fのゆらぎ」と呼ばれており、特徴的なリズムを持っています。聞くと気分が和らぎ、快適感や安心感を得ることができます。
ストレスによって自律神経に影響が出ると、ホルモンバランスの崩れから肌トラブルにつながることも。森林浴は副交感神経を優位にして、ストレスフルな状態を遠ざけてくれます。
「フィトンチッド」を体に取り込むと免疫力がアップし、ウイルスをやっつけてくれるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化するというデータもあります。
森林浴でリラックスし、森の中を歩いて体を使えば、ぐっすり眠れること間違いなし。安眠は美容の基本です。
森からパワーをもらうには、木々たちが太陽を浴びて目覚め始める午前中がベスト。1日の中で「フィトンチッド」が1番多いのは午前中~お昼前です。森の中にエネルギーが満ち溢れていくことを体感できるはず。
太陽光にはハッピーホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌を増やす効果があり、森林浴との相乗効果が期待できますが、強い紫外線はシミなどのトラブルを引き起こします。森に入る時は帽子をお忘れなく。もうひとつ、水分補給もこまめに行いましょう。
少し汗ばむ程度に歩くとより効果的。無理せず、ちょっと疲れたな、と感じたらスローダウンして深呼吸したり、ベンチに腰掛けて緑を眺めてみたりと、こまめに休憩することも大事です。がんばって歩く必要はありません。
緑の中でランチボックスを広げ、ゆっくりと味覚に集中して食べてみましょう。新しい発見があるかもしれません。
同じ本も、木々に囲まれて読むとイメージが変わるかも。昔読んだ本や、大好きな本を持ち出してみてください。
少しの間、目を閉じてみましょう。いろんな音が聞こえてきて、頭と心がクリアになります。