温泉で美しく

寒さがどんどんパワーアップしてくる季節本番。
あまりの寒さに体は硬くなり、お肌はガサガサ。そんな日が続くと、口をつくのは、「あ~、温泉行きたい~」。温泉で癒しを求めるのは、この季節の王道欲求ですね。でもこの冬は、もう一歩踏み込んで、ただ疲れをいやすだけでなく、温泉できれいも手に入れませんか?
今回は、年間200日を温泉地で過ごし、温泉の美容力を研究する日本でただ一人の「温泉ビューティ研究家」の石井宏子さんに、美肌効果のある温泉の選び方や、温泉の入浴法、オススメの美肌の湯を教えていただきました。知っていそうで知らなかった、温泉ビューティの基本をご紹介いたします。

Profile
温泉ビューティ研究家
石井宏子さん

「温泉は地球がくれた“天然のビューティツール”」という独自の視点で、温泉でキレイと健康を追求。雑誌、テレビ、ラジオなど、さまざまなメディアで活躍。
著書に、「だから行きたくなる温泉セラピーの宿」(集英社)、「地球のチカラをチャージ!海温泉 山温泉 花温泉」(マガジンハウス)などがある。

CHAPTER 1

美肌になる温泉は
「三大美人泉質」を
チェック

泉質といっても、単純温泉、二酸化炭素泉、塩化物泉など、多種多様。それぞれに特徴があります。なかでも、「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」は、古くから「三大美人泉質」と呼ばれている泉質。まずは、この泉質をチェックしましょう!

炭素水素塩泉
ツルスベ美肌に

肌の汚れや古い角質を落とすナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)の温泉は、肌をツルツル&スベスベにしてくれるクレンジング作用があります。pH8.5以上のアルカリ性の温泉も、同じような作用が期待できます。

硫黄泉
クリアな美肌に

硫黄泉と炭酸ガスを豊富に含んだ二酸化炭素泉は、血行を促進して体の巡りを良くする動きがあります。体の巡りが良くなることで、滞りがちな老廃物が排出され、クリーンな体&クリアな美肌へ導くサポートをしてくれます。

硫酸塩泉
しっとり美肌に

化粧水のような潤い補給作用が期待できるナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉)の温泉は、みずみずしく、しっとりとした肌へ。塩の成分が肌を包み、水分や熱が逃げにくい塩化物泉は、湯あがり後も、しっとり&ポカポカが持続します。

美肌以外にも、
こんな温泉の恵みが!

癒されビューティ温泉

毎日忙しくてヘトヘトという時には穏やかな作用の「単純温泉」がおすすめです。ゆったりした気分で温泉に入り心身を解放する時間を作ることも大切。海の波音が聞こえる温泉や森の緑に囲まれた温泉など、自然が豊かな場所へ出かけましょう。

活性リセット温泉

肌に元気パワーを与えたい時には「酸性泉」。殺菌作用があり肌を活性しリセットにつながります。酸性の温泉は刺激の強いので肌をこすらないように注意。そっと入るだけで、充分にリセットされます。肌がデリケートな方は湯上りに真湯のシャワーなどで流してから上がりましょう。

CHAPTER 2
石井さんオススメ!

美肌になるには、この温泉

宮城県

東鳴子温泉 | 旅館 大沼

汚れや角質を落とし、肌をスベスベにしてくれる美肌の湯。泉質の「炭酸水素塩泉」に加え、植物由来の有機質を多く含んだモール成分が、肌をしっとりさせる“お手入れいらずの温泉”です。

石井’S CHECK!

植物エキスをたっぷりと含んだ澄んだ紅茶色のお湯にほのかな木の香りが特徴。温泉の作用だけでなく、植物の香りに心も癒されます。

宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯34
TEL:0229-83-3052
URL:http://www.ohnuma.co.jp

群馬県

法師温泉 | 長寿館

弘法大師が発見したと伝わる法師温泉は、肌をしっとりと潤す“保湿の湯”。泉質は、「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉」。浴槽の真下から、源泉が湧き出ている貴重な温泉です。

石井’S CHECK!

地球から湧きだした温泉に、そのまま入っている感動が味わえます。美肌作用はもちろん、体も浄化されるような不思議なパワーを感じます。

群馬県利根郡みなかみ町永井650
TEL:0278-66-0005
URL:http://www.hoshi-onsen.com/

CHAPTER 3
デトックスにも!

効果的な入浴法
―基本編―

「やったー温泉!」と、お湯を見るなり飛び込んでいませんか?まずは温泉の基本的な入浴方法をチェックしてみましょう。ちょっとしたポイントを知っているだけで、美肌はもちろんデトックス効果も期待できますよ!

入浴前に水分補給をするべし

入浴後だけでなく、温泉に入る前には、水分補給を行うことが大切です。たっぷりと水分補給をして、体の巡りを整えることで、体内の老廃物を排出しやすくなります。

かけ湯をたっぷりするべし

かけ湯は、マナーとして汚れを落とすためだけでなく、これから入る温泉に、肌と体をならすという準備運動の役割があります。たっぷりとかけ湯をしてから、入浴しましょう。

3回ぐらいに分けて入るべし

額がじわっと汗ばんだぐらいで、一度上がり、少し休憩をしてから、また入浴する分割浴を心掛けましょう。美肌はもちろん、体の深部を温めながら、デトックス効果も得られます。

CHAPTER 4
ダイエットサポートに!

効果的な入浴法
―応用編―

ダイエットをサポートするためには、脂肪燃焼を促進することが大切。つまり、ラジエター=「褐色脂肪細胞」の部分を直接刺激するのが一番です。それには、3回に分けてあたたかいお湯と冷たいシャワーを交互に繰り返す「温冷交互浴」が効果的です。

  1. ① (1回目)3~4分の全身浴
  2. ② 温冷のシャワーを交互に肩甲骨の間にあてる。温(42℃)と冷(20℃)のシャワーを交互に20秒~30秒を5回)、30秒って、特に冷たいシャワーは辛いな~って思いますよね。でも、5秒ずつ6回で30秒。気合いでがんばりましょう。
  3. ③ (2回目)3~4分の全身浴
  4. ④ 身体を洗う。(5分くらいの休憩をするつもりで)
  5. ⑤ (3回目)3~4分の全身浴

入浴と休憩を繰り返す、基本の分割浴から、入浴中のお湯の温度を「温冷」交互にする温冷交互浴へと、レベルをあげていきましょう。「冷」がどうしても辛いときは、「足浴」といった部分浴だけでも効果は期待できます。

石井さんからの
メッセージ

温泉は地球がくれた神秘の宝物。美肌になれるのはもちろんのこと、自分の体を健康な状態へと導いてくれたり、心の底から気分をときめかせてくれたりもしてくれます。その魅力は本当に尽きません。お湯はまさに千差万別。いろんなお湯を試して、自分にぴったりのお湯を見つけてくださいね。

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